地場産品生かし魅力発信 甘酸っぱいルバーブジャム

自家栽培のルバーブを前にする関口さん

 地元の農産物を使って日高周辺の魅力をアピールしていこうと、日高市新堀で健康志向の食品や化粧品づくりに取り組んでいる株式会社「楽彩(らくさい)」代表の関口誠さん(67)。

 ドドメやアンズ、ブルーベリーをはじめ約30種類のジャムが人気商品の一つだが、新たなラインナップとして収穫期を迎えた自家栽培の「ルバーブ」を使い、日高産ルバーブジャムを売り出している。関口さんは「地元で採れたものを使って、訪れた人に喜んでもらいたい。地域を盛り上げていけたら」と楽しみながら商品化に取り組んでいる。

 関口さんは日高周辺で収穫された果実を使い、ジャムを製造。ペクチンなどの添加物を使わない昔ながらの製法で仕上げており、桑の実のドドメやアンズ、ユズ、ヤマモモ、飯能産のレモンなど季節に応じて豊富な種類を手掛けている。

 自家栽培のルバーブは自宅の畑で少しずつ数を増やし、現在は70株を栽培。繁殖力が旺盛で、5月から9月頃まで長期間にわたって収穫できるという。

 ルバーブは大きな葉を広げ、葉の軸は太くてみずみずしいのが特徴。フキのように30~40センチに伸びた軸を食用とし、酸味が強いが砂糖との相性が良く、加熱すると短時間で溶ける性質を持つことから、ジャムに最適という。

 「ルバーブは酸味と水分が豊富で、子どもの頃に山で茎を折って吸ったイタドリを思い出す。薬効もあるとされ、甘酸っぱさで夏バテ防止にも良いのでは」と関口さん。

 現役時代は化粧品製造の仕事に勤務。食品以外にも、クリの渋皮に抗酸化作用があるとされるプロアントシアニジンが豊富に含まれていることに注目し、日高市で生産されているクリの品種「ぽろたん」の渋皮から抽出したエキスを使用して化粧水、洗顔フォームなどの化粧品を製品化。加熱すると果肉から鬼皮と渋皮が簡単にはがれる同品種の性質を活かした商品として話題を呼んでいる。

 「体に良いものを作るという点では、化粧品も食品も同じ」。素材の良さを生かした製品を作り、地元の魅力をアピールしたいと、退職を迎えるのを機に仲間と協力して起業した。「楽彩」の名は、「彩の国さいたま」をヒントに「楽しく人生を彩りたい」といった思いを込めた。

 主力商品のジャムやハチミツを手に、積極的に都内に出向いて販売を行っているほか、地元のマーケットにも出店、観光案内所や近隣のスーパーマーケットでも扱うなど、徐々に販路を広げている。

 関口さんは「地域の未来につながるように、都内から地元へ人々を呼び込み、訪れた人たちが再び足を運んでくれるきっかけになれば」と話している。

 ルバーブジャムの販売価格は150グラム540円、70グラム324円(いずれも税込み)。また、ルバーブの茎は1キロ700円。飯能観光案内所(飯能1051-6)などで扱っている。楽彩の住所は新堀532-2、問い合わせは関口さん090・5550・9248、FAX989・1847へ。