協定書調印後、握手する古島代表(右)と大久保市長

協定書調印後、握手する古島代表(右)と大久保市長

 飯能市の入間川で魚類の生息環境などを整えるとともに、児童教育の一助となるよう、在来魚の放流などを行う「入間川流域地区活動組織」の古島照夫代表(入間漁協組合長)と大久保勝市長が26日、「水産多面的機能発揮対策にかかる協定書」に調印した。取り交わした協定に基づき、両者は今年度から平成32年度までの4年間、入間川の河川環境を高める活動に着手していく。

 水産多面的機能発揮対策事業は、河川環境や生態系の維持・回復、安心して活動できる水域の確保などといった地域活動を支援する水産庁の施策。同事業に取り組む団体には、国から7割、地元市町村から3割の活動費が助成されるため、団体の持ち出しはない。

 同事業を入間川で展開するため、種苗放流や魚類の生息環境を高めるための「川耕し」などに取り組む入間漁協を中心に、駿河台大学、認定NPO法人名栗カヌー工房によって「入間川流域地区活動組織」が結成。今年3月には活動計画を策定した。

 水産業や漁村は、安全で新鮮な水産物を安定的に提供する役割があるが、人口減少や高齢化などを背景に、水産面の保全など多面的機能の発揮に支障が生じているという。入間川についても例外ではなく、管轄する入間漁協では近年、組合員の高齢化や遊漁者の減少などによって、河川環境の維持・保全事業に思い切った施策展開ができないでいた。

 入間川流域地区活動組織による入間川での水産庁補助に基づく活動期間は、今年度から4年間。

 市と締結した協定に基づき、同組織は上名栗地区から阿須運動公園までの約30キロメートルの入間川で、河床を適度に掘り返して魚類など水生生物の生息環境を良好にする「川耕し」、河川清掃、教育学習としての魚の体験放流などを実施する。

 活動計画では、川耕しの面積は3ヘクタール、河川清掃を行う範囲については2ヘクタールと定めた。それぞれの具体的な場所については、川耕しを有間川と入間川の合流点付近、飯能河原下流矢久橋から征矢町付近。河川清掃については名栗湖畔、原市場地内などで実施する方針。このうち、原市場地内については、河床への太陽の照射を妨げている河畔林を伐採し、見通しを良くする。

 協定調印式で、大久保市長は「入間漁協の皆さんには、河川、山を守る部分についてもしっかりと応援をして頂いている。我々は、入間川の最上流域として、しっかりと川を守る責任がある」、古島代表は「入間漁協は、旧名栗村から川越の東上線鉄橋までの漁業権を管理している。飯能市から頂いた水産多面的機能発揮対策事業の補助金は、有効に使わせて頂く」などと述べた。