はんのうキエーロ。大サイズ完成品の直置タイプ(左)と、脚付きタイプ

はんのうキエーロ。大サイズ完成品の直置タイプ(左)と、脚付きタイプ

 家庭用生ごみ処理器「はんのうキエーロ」の購入費を、飯能市は今年度から補助している。消費経済の発展と共に、ごみの量が増え処理コストが年々増大、各自治体の財政を圧迫し、処分場の用地確保も困難になってきている。

 ごみの減量化は、世界中で喫緊の課題。キエーロは、手軽に家庭から出る生ごみを処理することが出来、購入費の補助制度の導入は、同市のごみ減量化事業の一環。

 キエーロは、神奈川県葉山町の夫妻が考案。土の中のバクテリアが、太陽エネルギーと風を使って、生ごみを分解するというシンプルな生ごみの処理方法。

 容器に土を入れ、そこに生ごみを入れてよくかき混ぜ、その上に乾いた土を被せる。バクテリアの力で、気温の高い夏ならば5~7日で、冬でも2、3週間あれば分解されて土になる。

 同市が年間に処理するごみの総量は、約2万4000トン。そのうちの74%、約1万8400トンが可燃ごみで、さらに生ごみがそのうちの約3割を占める。

 生ごみは、多くの水分を含むため焼却炉での処理時間を長くし、その分焼却コストの増大につながっている。また、重いため家庭でのごみ出しの負担になり、ごみ出しのルールがしっかり守られないと、カラスや猫に荒らされ、街の美観を壊し収集時間を長引かせる。

 同市では、リサイクル意識の向上も目指して、平成26年度から、キエーロを試しに活用するモニター事業に取り組み、昨年は、キエーロを作る工作教室も開いた。

 意見交換会などを通じて、使用感などを検証した結果、生ごみ減量の効果が実証された。平均的世帯で、1日当たりに排出される生ごみ量は、およそ500グラム、年間180キロから200キロくらいと言われるが、モニターからの報告を集計すると、年間130キロ程度生ごみが減ったという。キエーロで分解処理できずに市の収集に出された生ごみは70キロ以下に圧縮されたと推定される。

 仮に、市内から出されるすべての生ごみが、キエーロで処理されれば、クリーンセンターに収集される生ごみが年間約4000トン減り、市が処理する可燃ごみは、2割近く減る計算になる。

 生ごみでも、野菜やくだもの、魚や肉、ラーメンなどの調理品の残り物、お茶がら、食用油、飲み残しのお酒やジュースなどは、キエーロでよく分解されるが、かんきつ類やスイカ・かぼちゃの皮、野菜の芯、根菜類、卵殻、貝殻、ホネ、種など、人間も消化し切れない物の分解は難しく、可燃ごみとして処理する。

 キエーロで分解処理されたごみは、栄養分豊富な堆肥として活用することが出来、モニターは、家庭菜園やガーデニングを楽しむ人や、農家が多かった。

 また、同市では、このキエーロを西川材の間伐材を活用して製作することを決め、市内5つの事業者を登録し、西川材の利用促進も図る。

 キエーロは大小2種類。タイプは、木の底板が付いている脚付きタイプと、地面に直置きするタイプ。さらに、それぞれ完成品と、自分で組み立てる製品があり、合計8品目から選べる。市の補助額は、定価(補助基準額)の3分の2。

 最も大きく価格の高いのが、大サイズの脚付きタイプの完成品で、幅85センチ、奥行き45センチ、高さ70センチ、価格は税込み1万8000円。この価格で事業者から直接購入し、1か月以内に補助金交付申請書、請求書、領収書などの必要書類を提出すると、申請審査後、1万2000円が市から指定の金融機関に振り込まれ、最終的に購入額の3分の1、6000円が自己負担額になる。

 最も小さく安価なのは、小サイズの直置タイプ組立品で、幅60センチ、奥行き45センチ、高さ30センチ、価格4500円、補助額3000円で、自己負担額1500円で入手できる。

 1回当たりの生ごみの投入量の目安は、500~800グラム。大サイズ直置タイプの場合、土を掘って生ごみを埋める場所を6か所作ることが出来る。

 今年度、市では300台分の補助額を予算化している。

 製作販売登録事業者は、NPO法人名栗カヌー工房、加藤木材工業㈱、榎本木工、市シルバー人材センター、㈱荒木工務店の5つ。人材センターと、荒木工務店は完成品だけを販売する。

 購入者は、直接事業者まで出向き基準額で購入する。

 詳しい問い合わせは市資源循環推進課減量・リサイクル推進担当・電話973・1166、FAX973・1002へ。