ちふれ飯能工場いよいよ着工 地元活性化への期待高まる

研修センターとグラウンド

 ちふれASエルフェン埼玉の女子サッカー1部リーグ昇格などで地元企業として飯能市民に定着しつつある㈱ちふれ化粧品(本社・川越、片岡方和社長)は、今春いよいよ飯能工場(同市茜台)の建設に着手する。

 同社は、化粧品製造・販売業。問屋を通さない直接販売、宣伝広告費に莫大な経費を掛けない、容器の共通化、詰め替え化粧品の販売などで徹底したコストダウンを実現。昭和37年、「100円化粧品」の販売を実現したことで知られる。

 また、肌トラブルの原因となっていた香料の使用を抑え、着色料の添加を一切しない安全安心の製品作りにも早くから取り組んでいる。

 昭和42年には、消費者団体の全国地域婦人団体連絡協議会(全地婦連=ぜんちふれん)と提携し、「ちふれ化粧品」を発売した。

 当初は、100円という低価格が不審がられ売れ行きは伸び悩んだが、NHKの朝の連続テレビ小説のモデルにもなった『暮らしの手帖』に同社製品のコールドクリームが取り上げられ、高額な他社の製品と比較して品質に差がないと評価されたことから同社は軌道に乗った。

 同社の事業指針は、高品質商品の適性価格での提供、全成分表示などの情報開示による安全安心対策と、資源の有効活用による環境保護。

 「ちふれ」と、年齢に応じた肌ケアを目的にした「綾花」の2ブランドを展開している。現在のヒット商品は、「時短」の時代拝見にも合った、化粧水、クリームなど6つの役割を持った「オールインワン・ジェル」。発売から3年で850万個売り上げたが、アルコールに敏感な人にも利用できるようアルコール不使用。1日からは、ジェルなどの日焼け止めシリーズ等を発売開始した。

 近年は、活躍する女性の支援にも力を入れている。

 平成27年に、同市茜台に福利厚生施設となる研修センター、グラウンドを開設。スポンサーシップ契約を結んでいた女子サッカーチーム・ASエルフェン埼玉と、28年には命名権契約を締結し、同チームが練習拠点を茜台のグラウンドに移したのは、同社の女性支援活動の一環。

 同チームは、地域の子どもたちに向けに毎月2回サッカー教室を開催している。

会場は主に狭山市内だが、茜台でも実施したことがあり、昨年には、飯能市教委主催の少年サッカー大会が、同社の茜台グラウンドで開かれている。

 同社の工場建設計画は、同社の製品製造能力を高めるために立案されたもので、本社・川越から近く、地盤が強固な秩父古生層帯に属する飯能が適地と判断された。

 当初、24年10月にも着工が予定されていたが、諸般の事情によりこれまで延期されていた。しかし、26年度から27年度にかけて業績が約1割アップ。生産体制の強化が急務に。

 工場の建設及び生産ラインの整備は、今春の工事着手以降順次進めていく予定という。

 市民は、エルフェンの活躍とともに、今後の雇用創出にも期待し同社の工場着工を心待ちにしている。