自立走行ロボや賞状などを手に、今年の大会に向け闘志を燃やす同学園科学部チームと永澤顧問、当日瀧澤さん、板倉さんは欠席

自立走行ロボや賞状などを手に、今年の大会に向け闘志を燃やす同学園科学部チームと永澤顧問、当日瀧澤さん、板倉さんは欠席

 自立型走行ロボットを競うETロボコンチャンピオンシップ大会(全国大会)で、飯能市中山の聖望学園高校科学部は、モデル審査部門3位に輝いた。

 同校科学部が出場したデベロッパー部門アドバンストクラスで、高校生チームが受賞したのは大会初の快挙。ETロボコンは、ETソフトウェアデザインロボットコンテストの略。

 主催は、(一社)組込みシステム技術協会。スポンサーには、JTBコミュニケーションデザイン、日立製作所など大企業25社が名を連ねる。出場チームは、大企業の研究開発に携わる社会人や、理工系の大学生も数多く参加する。

 将来世界をリードするエンジニアの育成を目指し、若手及び初級エンジニア向けに挑戦する機会を提供することが、ETロボコンの目的。

 大会主催者側が統一規格を決めたロボットに、各々のチームが工夫したソフトウェアを組み込み、指定されたコースをロボットが自力走行する競技。

 コンテストは、搭載されたソフトウェアの設計モデルの評価や審査などで競う「モデル審査部門」と、実際に走行して、課題処理能力やスピードを競う「競技部門」、この2つを合わせた「総合部門」で行われる。

 また、エントリーは2部門3クラスあり、同校科学部が出場したのは、「デベロッパー部門アドバンストクラス」。

 デベロッパー部門は、統一規格のロボット、同じバッテリーを使用し、ソフトウェアの違いだけで競う。プライマリークラスが入門者向けで、指定コースも比較的易しいのに対して、アドバンストクラスは、技術の応用が求められコースの難易度も高い。

 同校科学部は、これまで地区大会を4回突破し全国大会に出場しているが、全国では入賞等はなかった。

 昨春、一人を除き、ロボット開発に無縁だった2年生一人1年生6人でほぼゼロからのスタートだった。

 統一規格の走行ロボットキット「HackEV」の発表は5月。審査カテゴリは、要求、分析、制御、設計、総合の5つだが、まず文章の意味や意図するところを理解しなければならず、基礎知識の充実に四苦八苦。実際の設計、走行試験は夏休みに入ってから、休み返上で夜遅くまで取り組んだ。

 実際の設計は困難を極め、ミスやエラーが次々発生。全然動かないことや、思惑と反対側に動いたり、その原因を一つ一つ探りあて、解決していく作業を繰り返した、と科学部メンバーは口々に語る。

 科学部OBが進学した「ものつくり大学」と連携し、10月の北関東大会にチーム名「mono&科学の妖精」で出場。競技部門1位、モデル部門はゴールドモデルに輝き、総合部門で優勝。昨年横浜で開催された全国大会に駒を進めた。

 地区大会から全国大会までの間に、スピードアップなどの微調整を加えたが、練習のときは全然動かず自信はなく、動きさえすれば行けるかも、という状態。

 HackEVは2輪で、タッチ、超音波、カラー、ジャイロの4センサーが組み込まれ周囲の環境を把握、設計されたソフトウェアが判断し課題をクリアしながら自力走行する。

 出場したクラスの競技は、ヘアピンコーナー連続のスピード競技と、4色ブロックの色を判断し並べる競技、土俵から同部屋以外の力士を押し出すなど、かなり複雑な2種類のゲームで構成されている。

 「センサーで色を認識する必要があり、いつもの学校での環境と明るさなどに違いがあり、その変化に対応できるか不安がありました」と語り、同校チームにとって、見通しにくい大会だった。

 しかし、ソフトウェアを評価するモデル部門では、設計、走行、技術等トータルバランスが整い、変更や応用が可能な汎用性の高さが評価され、3位を獲得。

 これまで15回の大会史上アドバンストクラスで高校生を主体とするチームが3位以上を獲得するのは、初の快挙だった。また、実際の走行競技部門では、時間設定の2分を切ることができず3秒オーバー。このため、総合は5位に終わった。

 「2分以内だったら、総合部門でも3位以上になれたかも」と、同部の生徒たちは振り返り悔しがる。

 同部顧問の永澤勇気教諭(39)は、「昨年4月の段階から、自主的にどんどんやってくれる生徒たちでした。今年は本当に楽しみです」と、生徒たちの会話に心地よさそうに耳を傾けていた。

 同部のETロボコン3位獲得メンバーは、▽2年生=瀧澤友理▽1年生=小林佑紀哉、篠﨑智成、宮﨑真、市村直樹、市原翔太、板倉希咲(敬称略)。