地元説明会用資料に基づき、地区の現況、事業長期化の理由などが説明された審議会

地元説明会用資料に基づき、地区の現況、事業長期化の理由などが説明された審議会

 入間市境の西側約48・5ヘクタールで「双柳南部土地区画整理事業」に着手している飯能市は3日、土地区画整理事務所(笠縫)で双南土地区画整理審議会(野口勲会長)を開き、双南地区地権者を対象に来月実施する事業見直しの説明会用資料を示しながら、事業長期化により生じている弊害などについて説明した。

 双柳南部土地区画整理事業地は、東側を入間市との行政界、南側を国道299号にした内側のエリア、約48・5ヘクタール。

 道路など都市基盤が整わないまま、地区では無秩序な住宅建設が相次ぎ、スプロール化が進展しているとして昭和55年、市はそれまでの市街化区域を一旦、住宅建設などを規制し、市街化を抑制する市街地化調整区域に編入する、いわゆる「暫定逆線引き」を県から指摘。

 住民説明会などを始め、市は協議を重ねた結果、市街化を推進する市街化区域を存続し、面的整備に向けて諸作業を進めるとの結論に達し、平成元年の土地区画整理事業の基本計画作成などを経て、同4年7月に区画整理事業を都市計画決定した。

 地区の大半の道路は未整備であり、車両のすれ違いが困難な上、緊急車両の円滑な活動にも支障をきたしていた。

 双柳南部地区では、計画に基づいて同4年度から事業が開始。今年で24年経過したが、家屋移転数については平成28年3月末現在、要移転戸数583戸中122戸、進捗率は20・9%に留まる。

 近年の市予算をみると、民生費の割合が高くなり、土木費については、平成13年から同27年までの15年間で、約半分に減額。

 さらに、203億円と計画されている同区画整理事業の総事業費だが、事業開始から24年間に投入された予算は約58億円となり、残事業費約178億円。

 仮に区画整理費として年間2・5億円を計上した場合、事業終了までの必要年数について、約70年となる試算も同審議会では説明されるなどした。

 社会情勢の変化、地価の下落、市予算の歳出構成の変化、大きな事業規模、建物移転数の多さ──などにより、事業が長期化の様相を呈し、これにより地区ではインフラ整備が遅延し、防災面での対応も危惧されている。

 そこで、生活環境の改善を図る必要が生じていることから、権利者の負担軽減、下水道整備による生活環境の改善、土地の有効活用が図れるよう、事業の見直しといった新たなまちづくりへの転換について膝を交えることとなった。

 市は昨年、地権者に今後の事業の進め方などを聞く意向調査を実施。その結果、約6割が、今後の生活設計の見通しが成り立たないなどを理由に、「計画を見直し、長期化を解消した方が良い」と回答していた。

 アンケートでは、事業の進捗状況も尋ね、「早い」と答えたのは、0・6%とわずか。「遅い」と「やや遅い」を合わせた割合が、全体の8割近くを占めた。

 現在の事業の状況、望まれるまちづくりの方向性などを説明し、意見を聞く地元説明会は3月10~12日の3回、双柳地区行政センターを会場に開かれる。事業見直しという最重要案件が俎上に載ったことから、審議会には市議はもとより、内沼博史県議も傍聴に訪れるなど、関心の高さを示した。

 説明会等の問い合わせは、飯能市区画整理課(973・8682)へ。