武蔵野鉄道本社社屋が写る集合写真

武蔵野鉄道本社社屋が写る集合写真

 かつて、飯能駅北口にあった西武池袋線の前身、武蔵野鉄道の本社社屋。その建物を撮影した写真が市内に現存していたことが分かった。飯能市郷土館の学芸員が、資料整理中に偶然発見した。

 これまで、武蔵野鉄道の本社社屋を撮影した写真は市内では確認されておらず、あっても同鉄道が発行したPR用印刷物の片隅にほんの小さく写っているだけだった。

 写真を発見したのは、郷土館学芸員の尾崎泰弘さん(50)。

 館所蔵の資料整理中、どこかで見たような建物が写っている写真に気づいた。その写真は『子供洋服講習会記念』というタイトルが付いた台紙付写真で、建物の前で大勢の和服姿の女性たちが並んでいる。

 尾崎さんは、背景の建物に目をやり、「どこかで見たことのあるような……」と思案。そして、「武蔵野鉄道の本社と似ていないか」と閃いた。

 早速、その写真と武蔵野鉄道発行の印刷物『武蔵野鉄道沿線案内』に掲載されている建物を見比べると、2階のベランダの位置、窓の配置、形状が一致。さらに、建物の前に植栽されている樹木も見事に符合した。

 台紙付写真からは、当時の飯能町の新井写真館が撮影したことが読み取れる。尾崎さんは「新井写真館が営業していたのは大正6年頃から同12年までなので、まさに武蔵野鉄道本社が飯能にあった時期と一致するのです」と力説し、「大きな発見です」と興奮を隠しきれない。

 郷土館によると、武蔵野鉄道(現在の西武池袋線)の本社は当初、当時の東京市麹町区有楽町にあった。武蔵野鉄道開通後、半年ほど経過した大正4年11月14日に大字飯能に移された。移転場所は、現在の飯能駅北口の北東側、駐車場棟の入り口付近という。

 尾崎さんは「見つけた瞬間、これは凄いと思った。一つの大きな発見です」と話している。