地域一体の自主防災 初期消火や心肺蘇生学ぶ

水消火器を使った初期消火。手順確認後、火点に放水

 自助、共助の精神で地域の安心安全度を高めようと、飯能市落合自治会(岩沢孝洋会長)の自主防災会(同)が13日、飯能日高消防署の協力により、地区内の西光寺駐車場で防災訓練を実施した。同自治会と地元事業所として災害時の応援協定を結ぶ介護保険事業などを展開する「たんぽぽ」、介護老人保健施設「楠苑」が今回、初参加した。

 午前8時20分の防災無線による避難指示を合図に、会場の西光寺へ避難者が続々と集合。人員報告、確認・集計後の開会式では岩沢会長、地元の中元太市議らが挨拶した。市危機管理室、加治地区行政センター職員も来賓出席した。

 訓練は、避難誘導のほか、初期消火、応急手当、心肺蘇生の4点。初期消火では、飯能日高消防署が用意した「水消火器」を使い、参加者は火点用として前方に置かれたコーンポストめがけ、放水した。

 心肺蘇生訓練では、人の上半身ダミー人形が運び込まれ、人工呼吸、心臓マッサージの方法などを消防隊員指導のもとに学んだ。人工呼吸は、施される側の鼻をつまんで吹き込んだ空気が漏れないようにするとともに、胸部の膨らみを確認することが大事──などのポイントが消防隊員から説明された。

 当日は、屋外活動には絶好の小春日和。地区隅々から約150人が参加し、60代男性は「もし火災が発生したら、今日のように落ち着いて消火できるかどうか分からないが、訓練で習得したことは忘れないようにしたい」と話した。