ソメイヨシノの植樹を行う佐藤会長(右)と中村教育長

ソメイヨシノの植樹を行う佐藤会長(右)と中村教育長

 日高市横手台地区の旧小学校用地に今年10月にオープンした「横手台グラウンド」に、昨年12月に解散した「横手台・永田台・武蔵台の住環境を良くする会」(佐藤剛会長)がソメイヨシノの苗木5本を寄贈し、10日、記念植樹式が行われた。

 横手台・永田台・武蔵台地区の住民有志で構成された同会は旧小学校用地の公共的な活用を目的に8年前の平成20年から活動を続け、グラウンド整備の決定に伴い、目的を達成したとして解散。運営資金の残金を活用しグラウンドの完成に合わせてソメイヨシノを寄贈した。

 同グラウンドの土地は、もともと永田台・横手台地区の飯能日高分譲地の開発に伴い小学校用地として西武鉄道が造成する予定となっていたが、少子化などを理由に平成15年、市が小学校建設を断念。その後、土地利用をめぐって西武鉄道、市、地元自治会の間で協議が進められた。

 そうした中、8年前の平成20年4月に同用地への温浴施設事業計画が浮上。西武鉄道や民間事業者による地元説明会が行われ、地域活性化の起爆剤としての活用方針が示された。

 しかし、住民の間からは汚水処理や騒音被害、交通渋滞などを懸念する声が上がり、これを受けて横手台・永田台・武蔵台の3団地の住民有志により住環境を良くする会が発足。以降、小学校用地の公益的な活用の推進を目的に市や西武鉄道に働きかけてきた。

 そうした経過を経て、市、西武鉄道、地元自治会の間でグラウンドとしての整備計画がまとまり、西武鉄道が用地の造成を行い昨年10月に市へ帰属。整備期間を経て、今年10月に南北ソフトボール場2面と1週500メートルの周回路などが整備された約2万7000平方メートルのグラウンドが完成した。

 住環境を良くする会は、用地の帰属を見届けた昨年12月に、活動目的をほぼ達成したとして解散。その際、運営会費の残金をソメイヨシノの購入費に充て、完成後のグラウンドに植樹したいと市に申し出た。

 オープン間もないグラウンドで行われた記念植樹には、会長兼横手台地区代表を務めた佐藤さん、永田台地区代表の山口善久さん、武蔵台地区代表の横山秀男さんら会員、市の中村一夫教育長、野村泰平教育部長ら職員が出席、グラウンドのフェンス沿いに5本の苗木を植樹した。

 会長を務めた佐藤さんは「8年前、公共用地ではなく民間業者による温浴施設の建設という計画が進められていた。調べたところ、地域の住環境に大きな影響を及ぼすことが明らかになり、公共用地としての活用を目標に県庁、市役所、西武鉄道、住民に訴え、活動の輪を広げてきた。その結果、住民の9割以上が公共用地として活用して欲しいと合意し、その後、市の関係者の尽力によりこのように立派な運動場を作って頂くことができた。今後は、近隣住民のみならず市全体のために活用され、将来にわたり継承されていくことを願っている。私たちも運動場とともに今回植樹したサクラを長く守っていきたい」と話した。

 中村教育長は「素晴らしいサクラを寄贈頂き、誠にありがたい。皆様にはこの地域をどのようにしていけばいいかを真剣に考えて頂き、今回、このようなグラウンドが完成した。ソフトボール場として活用して頂くとともに、散歩コース、家族の遊び場として、山々を見渡しながら健康増進を図ることができる。10年後、20年後には山の緑にサクラのピンクが映え、さらに素晴らしいロケーションになるのではないか」と感謝を述べた。