99歳おめでとう 沼部時井さんを祝う会

マイクを手に、感謝の言葉を述べる沼部さん

 飯能市内で長年地域文化の向上に貢献してきた中山の沼部時井さんがこのほど99歳の誕生日を迎え、祝う会が開催された。会場は、沼部さんが利用するショートステイリゾート「たんぽぽ」(落合)の建物内にある会議室で行われ、多くの人々から祝福を受けた。

 沼部さんは大正6年9月28日に双柳の秀常寺の前住職の長女として生まれ、比企郡野本村立野本尋常小学校、埼玉県立松山実科高等女学校(現松山女子高校)、実践女子専門学校(現実践女子大学)国文科を卒業。その後、同専門学校国文科助手、高等学校教諭などを務めたほか、飯能婦人会や同市連合婦人会、同市くらしの会の会長を歴任。同市家庭児童相談員、同市母子愛育会の副会長などを長年務めた。

 個人としては「飯能歌人会」に所属し、同人「宇宙風」「風知草」「二火」「飯能ペン」に寄稿。短歌集「峠の道」著作。平成11年に埼玉県文化ともしび賞、同6年に飯能文化賞を受賞している。

 また、公民館講座の講師としても長年活躍していたことから、毎年誕生日を迎えるとその生徒たちが祝う会を企画している。

 99歳を迎えた今年の会には20人が集まり、たんぽぽの桑山和子会長から沼部さんの近況報告が行われたほか、沼部さんからは感謝の言葉と共に、伊勢神宮に奉納されたイセヒカリを贈った。その後、文学仲間の田中順三さんが乾杯の音頭を取り、フランス料理・駿河屋の食事を味わった。

 沼部さんは「皆さんに祝福してもらい、とても幸せ。文学を友とし、仲間に支えられてここまで生きてこられた」と感謝した。