飯能市下直竹地内で11日午後12時半頃、民家のすぐ近くの山林にツキノワグマが出没し、飯能猟友会によって捕獲された。クマは体長120センチ、体重81キログラムの雄で、年齢は5~6歳の成獣。捕獲場所は県道原市場下成木線にある申渕自治会館から約280メートルの山林で、付近には民家も建っている。

 現場近くでは2日前の9日午後もクリの木が倒されたり実が食べられるなど、クマによるものと思われる被害が発生しており、市では警戒を強めていた。地域住民は「ひとまず安心した」と胸をなでおろした。

 南高麗地区では今年に入ってから民家のすぐ近くや圃場などの近くで餌を探すクマの様子や生活道を歩いている姿が目撃されるなど、これまでにない人家に近い場所での目撃情報が寄せられていた。また、今回の捕獲場所から1キロ程の場所には小・中学校があり、その付近でも過去に多数目撃されている。

今年7月21日には苅生の榎坂配水場付近にクマの足跡が残されていたことなどの状況を踏まえ、市は翌22日付けで有害鳥獣捕獲の許可を取り、緊急事態への体制を整えていた。

 現場近くでは捕獲2日前の9日にもクリの木が倒されたり実が食べられるなどの被害が発生していると地元住民から市へ通報があり、鳥獣被害対策指導員が現場へ駆け付け確認したところ、クマによる可能性が高いと判断した。

 11日には飯能猟友会に加え、青梅猟友会の協力もあり計16人で被害のあった場所を中心にクマ以外の有害鳥獣捕獲も含めた追い払い及び捕獲作業を実施したところ、現場にクマが出没。銃による捕獲を行った。

 市はこれまでに防災行政無線や各自治会、学校などへ情報提供を行うとともに、バス停など人目に付く所やホームページで注意喚起を行ってきたほか、隣接している青梅市とも連絡を取り合うなど対応してきた。

 今回捕獲されたことについて地域住民は「クマを数十メートルの所で見たことがある。息を荒くして逃げていき、恐ろしいと思った。自分たちが農作業する場所が安心していられない状況だった」「学校も近く、不安だった。ひとまず安心した」などとホッとした様子。

 市は「地域の方々は不安な状態だったと思うが、安心感を持って頂けたのでは。だが、これまでに目撃されたクマは今回捕獲したクマとは限らないので、引き続き市民の皆さんの安心安全を守っていくため体制を整え、対応していきたい」と話している。

 クマによる事故を未然に防ぐため、山の中に入るようなときは鈴やラジオなど音の出るものを身に着けて、常に自分の存在を知らせることが大切。クマは多くの場合、先にクマが人間に気が付けば自らその場を離れていくという。

 それでもクマに出会ってしまった場合は、落ち着いて状況を判断すること。クマとの間に十分な距離があれば、すぐにその場から離れる。万が一、出会い頭にばったりと出会ってしまいクマが立ち止まっていたら、急激な動作や慌てて後ろを向いて逃げたりせずに、クマに向き合ったままゆっくりと後退していくのが有効。

 また、子グマの近くには必ず母親がいる。子グマを見つけたとしても近づいたり捕まえようとせずその場から離れること。