飯能署管内の今年の交通事故による死者が7人(飯能3、日高4)となり、前年同時期に比べ4人増の非常事態となっている。特に日高市は8月以降、相次いで3件の死亡事故が発生し、今年1月からの死者数は計4人に。近く県の「交通事故防止特別対策地域」に指定される見通しとなった。

 管内では9月4日現在、死亡事故のほか、人身事故286件(前年比29件増)、負傷者数357人(同47人増)、物件事故1830件(同20件増)といずれも前年同期を上回っている。

 交通事故防止特別対策地域は、交通死亡事故が増加・多発している市町村に対し知事が指定し、関係機関が一丸となって3か月間にわたり集中的な交通安全対策に取り組むもの。

 その条件は人口によって異なり、飯能・日高のように10万人未満の市の場合、過去3年間の同時期の平均より3人増、または過去3か月間の死者数が3人に達した場合で、日高市は今回、度重なる死亡事故により、両方の条件に当てはまった。

 日高市の昨年の死亡事故はゼロ。これまで、交通安全対策に積極的に取り組み交通事故防止に尽力した「交通安全推進市町村」として、埼玉県や県警などが主催する「埼玉県交通安全功労者等表彰」で平成25年から27年まで3年連続で表彰を受けているだけに、今年の死亡事故の急増は関係者にもショックを与えている。

 管内の死亡事故を振り返ると、序盤は国道299号での車両同士の衝突や単独事故などスピードの出し過ぎが原因と見られる事故が目立ったが、7月以降は、横断中の歩行者に気付かずはねた、左折時に原付バイクを巻き込んだ、駐車場を出てきた車両に後方のバイクが衝突したなど、前方や周囲の安全不確認が原因と見られるケースが相次いだ。

 人身事故の原因別を見ても、脇見等の安全不確認が全体の57%を占めており、こうした事故の多くは当事者が周囲の安全に気を配っていれば防ぐことのできた可能性が高い。

 飯能署は交通事故防止策として、取り締まりやパトカーによる朝夕の警戒走行などを一層強化する構え。21日からは秋の交通安全運動も控えており、17日にはベイシアひだかモール駐車場で交通安全教室等の開催を予定。「車、自転車、歩行者ともに周囲の安全確認に努めて欲しい」と呼びかけている。

 管内の死亡事故の発生状況は次の通り。

 ▽1月29日午前3時59分頃、日高市高麗本郷地内の国道299号で52歳男性が運転する乗用車が何らかの理由により対向車線にはみ出し、これを避けようとした大型トラックと衝突、さらに民家に衝突し死亡。

 ▽3月13日午後2時頃、飯能市上赤工地内の県道飯能下名栗線で82歳男性の乗った自転車が何らかの理由により街路灯柱に衝突、バランスを崩して倒れ頭部を強打、搬送先の病院で死亡した。

 ▽4月20日午前3時25分頃、飯能市白子地内の国道299号で、24歳男性運転の乗用車が左カーブでハンドル操作を誤り、蛇行運転の末、道路左側の立木に衝突、死亡した。

 ▽7月26日午後7時35分頃、飯能市緑町地内の国道299号で、横断歩道を横断していた75歳男性が入間市方面に走行中の乗用車にはねられ、死亡した。

 ▽8月5日午後7時3分頃、日高市大谷沢地内のラーメン店駐車場で、中型トラック運転の49歳男性が駐車し車両を離れたが、何らかの理由により車が後方に動き出したため、慌てて車両を押さえようとし、車両と鉄柱の間に挟まれ頭部を損傷、死亡した。

 ▽8月30日午前7時15分頃、日高市馬引沢地内の県道日高狭山線で、40歳女性運転の原付バイクが、交差点を左折してきたタンクローリーに巻き込まれ、死亡した。

 ▽9月2日午後7時15分頃、日高市女影地内の県道川越日高線で、29歳男性が運転するバイクが、前方のコンビニ駐車場から出てきた乗用車に驚き転倒、乗用車の後部に衝突した後、さらに反対車線を走っていた軽自動車に衝突、搬送先の病院で死亡が確認された。