飯能市議会9月定例会一般質問(1日)に登壇した野口和彦議員(緑の会4)は、地方創生のための国の助成メニューに市が申請した「地方創生加速化交付金」「地方創生推進交付金」「企業版ふるさと納税」の事業計画が採択されたことを受け、具体的な取り組み方法などを質した。

 3事業採択の感想を求められた大久保勝市長は「絵に描いた何とかではだめ」とした上で、「(この取り組みで)しっかりと定住人口、交流人口を増加させる」と意気込みを示した。

 ▽野口議員=今回、地域活性化として質問させて頂く地方創生加速化交付金、地方創生推進交付金、企業版ふるさと納税の事業計画がすべて採択されたというビッグニュースがあった。本市もこの流れにしっかり乗って地方創生の取り組みを加速させていく必要がある。すべて採択されたということは、飯能市にとって大変画期的なことで、飯能市の地方創生への取り組みが文字通り加速するものと大きく期待する。このことについて大久保市長はどのように受け止めているか。

 ▽大久保市長=まさに私が市長就任した時、消滅可能性都市問題があった。そんな中で本市の地方創生の取り組みは平成26年度に消滅可能性都市といわれたことから始まる。本市の人口推計では2040年には約6万4000人まで減少し、現在の行政サービスを維持できなくなる恐れがあることから、定住人口と交流人口を増加させていくことを最重要課題として位置づけ、今年度から平成37年度までを最も重要な10年間とし、第5次総合振興計画、まち・ひと・しごと創生総合戦略を策定した。

 事業採択されたが、しっかりと定住人口を促進し、勢いある飯能市に持っていきたいという思いでいっぱいだ。

 今回、加速化交付金、水深交付金、企業版ふるさと納税の3つがすべて採択されたのは、全国でも飯能市だけだと聞いている。特に推進交付金については全国約1700ある自治体の中から採択されたのは740の事業、県内では7市4町13事業である。そして、企業版ふるさと納税については、全国87自治体102事業、県内でも採択されたのは飯能と熊谷の2市3事業である。

 これからは、これらを最大限活用させて頂き、宮沢湖~あけぼの子どもの森公園~飯能河原・天覧山周辺の魅力をさらな磨き上げると同時に、これらを結ぶ魅力あふれる都市回廊空間を構築するとともに、「農のある暮らし飯能住まい制度」を切り札としたさまざまな定住人口増加策により、消滅可能性都市から発展可能性都市、発展都市へとしたい。全国から最も注目される市になったと思う。住んで良かった飯能市、住みたい飯能市に向けて邁進したい。

 ▽野口議員=地方創生加速化交付金については、文字通り、まち・ひと・しごと創生総合戦略を加速化させる補助となっており、今回は「江戸の歴史を引き継ぐ西川林業再生事業」と「官民連携はんのう観光推進事業」の2つの事業となっている。江戸の歴史を引き継ぐ西川林業再生事業では官民連携により雇用促進と人材育成を図り、西川材の需要を拡大するということだが、具体的にはどのような取り組みを考えているのか。

 ▽吉澤亨産業環境部参事兼農林課長=西川材の名の由来となった大消費地を抱える現代の東京をはじめとする首都圏の住民をターゲットに、いかに西川材を消費してもらうかを考え、西川材のプロモーションビデオの製作、アンテナショップなどでの販路拡大のための宣伝を行う。

 また、都市間交流やエコツアーと連携し、木材の伐採の現場の体験、住宅の材料となるまでの流れを見学することができる参加体験型ツアーを行い、西川材の良さや美しさを五感で感じ、体験していただきたいと考える。

 実際に西川材で建築された住宅を見学するなどして豊かな自然に囲まれた住環境と西川材住宅を五感で感じ、体験していただくことが西川材の良さを理解してもらうには何より有効であると考えた。

 雇用促進策では市内の林業・木材業関係者等との協働により、技術伝承会を開催し、後継者不足が深刻な本市の林業・木材業従事者を育成、確保する機会を創出したいと考えている。

 さらに販路拡大策では本年度始まった「飯能住まい制度」の住宅建設に西川材の使用を奨励していることから本事業と連携し、首都圏を中心としたエリアをターゲットに西川材そのものや、西川材で建築した住宅を広告することにより、移住政策と同時に販路拡大につなげてまいりたい。

 こうした取り組みを通じて西川材の需要拡大と利用促進を図り、「伐って、使って、植えて、育てる」森林の循環的サイクルを再構築し、経済、雇用、地域の活性化につなげたい。

 ▽野口議員=官民連携はんのう観光推進事業では、地域資源を最大限に活用し、メッツァ開設による集客効果を市内へ最大限に波及させることで、中心市街地の活性化とインバウンド観光などを強化し、稼ぐ力を醸成するものとされているが、自分自身の経験上、テーマパークへ訪れる際は日帰りではテーマパーク以外のそのまちを散策することはあまり考えられず、宿泊が大きな鍵になると考える。既存観光地への人の導線を作るためには、長期滞在やツアーなどの連携が必要かと思うが、具体的にどのような取り組みを考える。

 ▽青田精一産業環境部参事兼観光エコツーリズム推進課長=価値観の多様化やインターネット手配の普及などにより、観光のスタイルがパッケージ型から個人が自由に選択できるタイプへと大きく転換している。

 このような状況を踏まえ、観光はんのうを推進して交流人口の倍増や地域の活性化、地方創生を進めていくためには、飯能ファンやリピーターの拡大に向け、体現型観光を経た滞在型観光の必要性を感じ、その研究、検討を進めているところ。

 本市はエコツーリズムの先進地として年間100を超えるツアーを実施しており、宿泊型についての問合せもあることから、エコツーリズム推進協議会でも研究を行っており、昨年度から年間に数本というレベルだが、宿泊型のツアーを実施し始めた。

 今後については、市内の観光団体からも体験型や宿泊型のツアーの造成、販売が可能となる資格取得の意向についてもお聞きしているところから、滞在型観光を視野に入れながら体験型ツアーの充実を図り、市観光協会や関係者とさらに協力関係を深め、広域的な連携も踏まえた取り組みを進めてまいりたい。