高萩地内の国道407号近くの市道が冠水し、車が水没。運転手は無事だった(午後3時過ぎ)

高萩地内の国道407号近くの市道が冠水し、車が水没。運転手は無事だった(午後3時過ぎ)

 首都圏を直撃した台風9号で、飯能・日高市内は22日昼頃から記録的な大雨に見舞われた。短時間に猛烈な雨が降ったことから道路や線路の冠水が相次ぎ、鉄道の運転見合わせや通行止めとなる道路が続出した。

 河川も大幅に水位が上昇し、入間川や高麗川などが濁流と化した。市や関係機関が道路状況の確認や交通誘導、倒木の撤去にあたったほか、土砂災害への警戒を強め、住民からは周囲の被害を知らせる連絡や土のうの要請などが多数寄せられた。

 関係機関は台風一過の23日も引き続き被害状況の確認や対応に追われた。両市には土砂災害警戒区域が多数あり、大雨の後は地盤が緩むとして引き続き警戒を呼び掛けている。

 飯能市に土砂災害の危険度が高まっているとして、午前10時50分に土砂災害警戒情報が県によって発表。市内ではバケツをひっくり返したような激しい雨が降り、道路冠水があちこちで見られた。

 市内で最も降水量が多かったのは、市によると観測場所が飯能県土整備事務所の213ミリ(降り始めの午前5時から午後3時まで)で、同地点では午後1時から同2時までの1時間で66ミリを観測した。土砂災害警戒情報は、午後6時半に解除された。

 この豪雨で飯能市岩渕地内の県道を南側に入った市道が陥没、近くの住民から「家に入れない」といった通報が午後6時頃にあった。

 市はゲリラ豪雨や台風などの大雨に備え、余裕を持たせて約1000袋弱の土のうを7月中に用意した。

 が、22日は雨が強まった午前11時頃から午後3時頃までの間で、危機管理室にある3台の電話が市民からの土のう要請で鳴りっ放し。ストックした分は午後2時頃ですべて尽き、急遽300袋を追加した。市は、今後も台風などの発生が予想されることから、新たに土のうを作るという。

 飯能駅郵便局前信号東側にあるJR八高線の踏切付近の線路が冠水し、午後1時半頃に線路が隠れるほど水が流れ込んだ。また、東福生~箱根ケ崎駅間での線路故障の影響により、拝島~東飯能駅間の上下線で運転を見合わせ中。23日午後3時頃に運転再開見込み。東飯能~高麗川駅間については22日に運転を再開した。

 西武池袋線の小手指~飯能駅間は午後5時45分に、西武秩父線飯能~正丸駅間は同7時40分に運転を再開した。

 国際興業バスは、飯能駅~こま武蔵台ニュータウン循環、飯能駅~高麗川駅~埼玉医大、飯能駅~高麗川駅~埼玉医大国際医療センター経路内にある高麗駅での道路冠水により、「高麗駅」「高麗駐在所」を迂回した。その後、同日中に運転を再開している。西武バスは遅延は発生したが、運休はなかった。

 飯能署によると台風9号に関連した110番通報は「冠水しているところがある」「車両水没した」といった内容で20件ほど寄せられたという。

 埼玉西部消防局には飯能・日高市内から20~30件ほど通報があった。具体的な件数、詳細については取りまとめ中という。

 日高市では22日午後1時すぎに高麗地区の土砂災害警戒区域を対象に「避難準備情報」が発表され、また、高萩地内では小畔川の水があふれたことから、福祉センターや高萩公民館へ計6世帯21人が避難した。各所で道路が冠水し、住宅が浸水したとの連絡が複数寄せられた。

 高萩地内の県道川越日高線には小畔川の水が流れ込み一部が通行止め、高麗駅近くの鉄道ガード下も冠水し一時通行止めとなった。けが人などの人的被害はなかった。

 避難準備情報は横手、高麗本郷、清流、高岡、新堀、梅原、栗坪、楡木、猿田の土砂災害警戒区域を対象としたもので、緊急速報メールで発信したほか、対象地区の区長に電話連絡した。避難者は午後5時すぎに帰宅し、市は午後6時半に同情報を解除した。

 河川では小畔川があふれたほか、高麗川も水位が上昇、新井橋、新堀橋、久保ノ下橋の木橋3橋が水に浸かった。このほか、森戸新田の市道、駒高地区の林道などで倒木があった。

 高麗川沿いに住む70代男性は濁流を目の当たりにし「これだけ短時間で水位が上がるのはあまり経験がない。もう少し降り続いていたら危なかった」と話した。