歴史を未来へ繋ぐ 文化財展や多彩な行事 高麗神社で9月

昨年改築が行われた高麗神社社殿

 1300年前に高句麗から渡来した高麗人1799人のリーダーとして初代郡司を務めた高麗王若光(こまのこきしじゃっこう)を祀る日高市新堀の高麗神社(高麗文康宮司)は9月中、「高麗郡1300年祭“高麗郡百花繚乱”」と題して多彩な催しを開催する。15日から22日まで開かれる第14回文化財展「高麗神社の御造営」では、昭和10年に描かれた伊東忠太の設計図を中心に、同神社の造営に関する資料を公開する。

 現在の社殿は昭和11年に完成。設計を手掛けた伊東忠太(1867~1954年)は、明治~昭和期に活躍した建築家。日本建築を本格的に見直した第一人者で、日本建築史を創始。建築進化論を唱え、独特の様式を持った築地本願寺(国重要文化財)など数々の建築物を残した。

 同神社は昨年、高麗郡建郡1300年に合わせて社殿改築を行い、伝統工法の曳家の技術を用いて社殿を約15メートル後方に移動し、社殿前に新たに外拝殿(げはいでん)を建築した。外拝殿は権現造りで屋根は銅板葺き、床は石敷き。

 文化財展では、伊東忠太の設計図を初公開するのをはじめ、国指定重要文化財の大般若経や高麗家文書などの関連資料も合わせて展示する。17日、19日、22日には午後1時半から説明会が行われる。

 このほかにも9月中は行事が目白押し。18日は芸能祭として神楽殿でモンゴルの馬頭琴演奏(午前11時)、狂言(午後1時半)の上演。

 19日は鎮守の杜の音楽祭として、高麗中学校吹奏楽部演奏(午前10時)、韓国伝統楽器演奏(11時)、高麗神社神楽舞(正午)、薩摩琵琶五弦演奏(12時45分)。

 22日には高句麗・飛鳥・天平の古代衣装を着て境内を歩く「古代装束絵巻」(午前11時、午後2時)。

 25日には高麗郡1300年文化祭としてサムルノリ演奏(午前11時)、神楽乃朋友演舞(午後1時)、HIDAKAよさこい舞人演舞(2時半)。

 また、氏子美術展(10~17日)、国指定重要文化財・高麗家住宅内部自由見学(17~25日)、高麗郷まほろば上映会(17~25日)、高句麗文化展(18~25日)、祭祀舞(17・24日)、宮司による高麗神社入門(22・25・10月1・2日)、テコンドー・合気道演舞(2日)などが行われる。

 同神社は高麗郡1300年を記念し、「未来へ1799~高麗神社に言葉を残そう」として10年後への手紙を預かるタイムカプセル企画を実施している。建郡当時、日高周辺に集まった1799人の高麗人にちなみ、未来への願いを記した1799枚の手紙を神社に納めるもので、納め式を行った後、本殿の傍らに10年間保管し、10年後の5月16日の神恩感謝祭で開封し投函者に返却する。

 希望者は専用の記入用紙に必要事項を書き、直接持参または郵送で高麗神社へ。1人1通のみ。手紙の受付時に預かり証が発行される。受付期間は今年12月1日まで。規定数に達し次第締め切りとなる。

 神社の司職は若光の子孫が受け継ぎ、現在の高麗宮司は60代目。建郡1300年の節目を迎え「高麗郡の歴史と意義を知ってもらい、地域発展をめざすことが先人への感謝を表すことになる。地域に暮らす人々とともに、より良い未来へとつながる契機としたい」としている。