人命救助の2人に「金メダル」 飯高の後藤さん、フィ社の豊田さん

感謝状を手にする後藤さん(左)と豊田さん

 飯能河原で溺れた小学2年生の男児の命を救ったとして、飯能署は17日、飯能高校1年生の後藤槙壱さん(飯能市原町)とフィンテックグローバル社の豊田好洋さん(38)に感謝状を贈った。福島謙治署長は「連携のもとに幼い命が救われた。2人はオリンピックで言ったら金メダル」と行動を称えた。

 事故は今月7日午後2時過ぎに発生。後藤さんが堰付近で仲間らと水遊びをしていたところ、膝に何かが触れたため水底を覗くと男児が沈んでいた。すぐに引き上げ、右岸の河川敷まで運び、近くのフィンテックグローバル社が運営するバーベキュー場に助けを求めた。

 知らせを聞いた豊田さんは119番通報をした後、男児の体を横にして水を吐き出させたところ意識が回復。体が冷えていたため日光に当てて温めるなどし、到着した救急隊へ引き継いだ。男児はその後、搬送先の病院で無事に回復し帰宅したという。

 溺れた男児はバーベキューを行うため、さいたま市から母親ら親族6人と共に飯能河原を訪れていた。家族らが買い物中、1人で堰付近の水深1メートルほどの場所で水に飛び込んで遊んでいた。

 感謝状を手渡した福島署長は「適切に対応して頂いたおかげで幼い命が助かった。現在オリンピックが開催されているが、2人は金メダルですね」と述べ、2人の行動を称えた。

 後藤さんは「人だと気付いたときにはとても驚き焦ったが、引き上げるときは冷静に対応できた」と振り返り、「子どもたちには大人が傍にいるところで遊んでほしい」と話す。

 救助にあたった豊田さんは、茨城県の出身で実家が海水浴場の近くということや海外に留学していた際にライフセービングの講座を受講していたことなどがあり、これまでに3回人命救助の経験があるという。「男の子が生きていてよかったと本当に思う。後藤くんが咄嗟に引き上げてくれて良かった。川の危なさを理解した上で遊ぶことが必要」と述べた。