河川空間のオープン利用で来訪者増が見込まれる飯能河原

河川空間のオープン利用で来訪者増が見込まれる飯能河原

 飯能市は、「生まれ変わります 観光はんのう」をキャッチフレーズに、現在の交流人口を480万人に倍増するなど市観光の方向性を示す「市観光ビジョン」を策定した。計画期間は、今年度から平成32年度までの5年間。宮沢湖畔に来年オープン予定の「メッツァ」などと連携し、イベント中心のこれまでの観光から「体験型・着地型観光」へと転換するのが特徴だ。

 自然や歴史などの観光資源を有しているものの、観光地としてのイメージが曖昧だった飯能市。このため、市は平成23年に市観光の方向性を示し、協働型の観光のまちづくりを推進する指針「市観光ビジョン」を策定。そのコンセプト「歩いて楽しむ観光」を推進してきたが、飯能らしい観光の核、民間事業者などと連携して経済効果を高める仕組みづくりといった課題があった。

 こうした中、平成25年3月に鉄道5社による横浜までの相互直通運転が開始されるとともに、昨年には宮沢湖へのムーミンのテーマパーク「メッツァ」の誘致が決定。平成28年度には飯能のまちづくりガイドランインである第5次総合振興計画もスタートした。

 そこで、観光の核ともなるメッツァと連携しながら、観光関係者、市民、行政の一体で観光はんのうをさらにステップアップしていくため、産業としての観光の形成という戦略性を重視した今後5年間の新たな観光ビジョンを策定した。

 ビジョンのキャッチフレーズは「生まれ変わります 観光はんのう」~観光イノベーションで、魅力ある体験型・着地型観光へ~(体験型・着地型観光とは、観光客の受け入れ先が地元ならではのプログラムを企画し、参加者が現地集合、現地解散する新しい観光のスタイル)。

 そのための5つの目標として、①交流人口480万人をめざす②体験型・着地型観光へのステップアップ③地域の稼ぐ力を醸成し、地方創生につなげる④グローバルな視点と戦略で取り組む⑤観光地としてふさわしい質的向上を図る──を設定し、「観光はんのうの魅力向上」「観光地としてのレベルアップ」など基本施策を掲げた。

 それによると、メッツァ、飯能河原・天覧山周辺、あけぼの子どもの森公園の観光要所を人が行き来する観光の核、トライアングルゾーン(都市回廊空間)としてコース設定し、天覧山については眺望確保のための整備を図るとした。

 その上で、都市回廊空間の波及効果を中心市街地の賑わいに結び付けるため、産業や食などをテーマにした回遊ルートを新たに構築する。

 地域の食を観光資源にし、そのエリアを活性化しようする取り組みが全国各地で活発化している。ビジョンでは、飯能の食文化や埼玉S級グルメ、B級グルメ、バーベキューなどの食と市の健康づくり施策の柱であるウォーキング、野菜プロジェクトとのコラボを「飯能フードツーリズム」と位置づけ、観光と健康づくりから消費の拡大と賑わいの創出につなげるとした。

 さらに、観光地のレベルアップのため、歩いて楽しめる空間づくりにも着手する。天覧山、飯能河原周辺、メッツァ、あけぼの子どもの森公園、寺社、ハイキングコースなどをネットワーク化して散策ルートを設定する。具体的には天覧山・飯能河原エリア、飯能駅~宮沢湖周辺、飯能駅~あけぼの子どもの森公園周辺への散策ルートを整備・リニューアルする。

 このほか、新たな観光はんのうを推進していくためには、来訪者にとって「飯能ならでは」「地域ならでは」といったユニークな体験やふれあいなどが得られることが重要だとして、地域に眠る、地元しか知らない観光資源の「地域のお宝」の発掘にも取り組む。