高額払い出しに「待った」振り込め詐欺被害防ぐ 

福島署長から感謝状贈呈を受ける川さん

 500万円の預金の払い出しに訪れた高齢者女性から事情を聴き、振り込め詐欺被害を未然に防いだとして、飯能署(福島謙治署長)は1日、日高下高萩郵便局の吉川初美さん(41)へ感謝状を贈呈した。

 吉川さんは窓口に訪れた80代女性から預金500万円の払い出しの依頼を受けたため、用途を確認。リフォームや家電製品の購入に使用したいとの内容だったが、曖昧な点があったことから、「念のため」と女性に事情を説明した上、ホットラインで飯能署へ連絡。署員が女性と話したところ、振り込め詐欺と判明した。

 同署の調べによると、女性宅には警察官や消費者センター職員を名乗る男から電話があり、「金融機関でトラブルがあり預けているお金が危ない」として「預金を下ろして欲しい。自宅まで取りに行く」などと要求されていたことが分かった。

その後の犯人の足取りは不明だが、女性宅に現金を取りに行くなどと伝えていたことから、署は女性宅周辺のパトロールを強化するなど警戒を強めている。

 同郵便局では、利用客から高額の払い出し依頼を受けた場合は振り込め詐欺の疑いがあるかを確認し、少しでも疑わしい場合はホットラインに通報するよう局員に徹底。

 吉川さんは「高額な払い出しの場合はすぐ連絡するよう心掛けている。お客様にはわずらわしいと思われるかもしれないが、せっかく貯めたお金を犯人が使うというのは許せない。警察にもすぐに対応して頂き、未然に防ぐことができて良かった」と話す。

 感謝状を手渡した福島署長は「金融機関は最後の砦。不審な点があればすぐに警察へ連絡して頂くことが大切。特に郵便局は地元に密着しており、利用客との信頼関係があるのが強みだと思う。事件を未然に防いで頂き大変ありがたい」と感謝している。