福島尚さんの鉄道画 岡本太郎美術館に出品

自宅で絵筆を走らせる福島さん

 細密な鉄道画で知られる日高市中鹿山在住の福島尚(ひさし)さん(47)の作品が、神奈川県川崎市にある「川崎市岡本太郎美術館」で開催中の「鉄道美術館」に展示されている。

 長年にわたり自宅で絵筆を走らせている福島さんだが、写実的な作品が反響を呼び、近年はメディアやインターネットを通じて全国的に知名度が上昇、活躍の場を広げている。

 今回の展示では岡本太郎作品をはじめ、古今のアーティストたちの作品と肩を並べている。

 自閉症を抱える福島さんは4歳の頃に蒸気機関車に関心を持ち、鉄道の絵を描き始めた。日高市内の授産施設「かわせみ」に通いながら創作活動を続け、作業所から帰宅すると真っ先にキャンバスへ向かう。

 八高線、川越線、西武線など地元の鉄道を皮切りに、両親との旅で出会った各地の列車を題材に創作活動に励んでいる。

 20代で作品展を開いたのをきっかけに、市の美術展をはじめ各地の絵画展等へ積極的に出品するようになり、近年では創作活動の様子がドキュメンタリー番組でも取り上げられ、ネット上でも「まるで写真のよう」と話題を集めた。

 アクリル画、水彩画に加え、ペーパークラフトなど年齢を重ねるごとに作風の幅を広げている。

 今回の鉄道美術館は、国鉄民営化の際に岡本太郎氏が公式メダルをデザインして鉄道の門出を祝ったエピソードをもとに、人々を魅了し続ける鉄道を美術の眼を通して味わう内容。

 岡本作品をはじめ、鉄道を作品に取り入れた現代アーティストの作品や鉄道絵画として歌川広重の浮世絵から現代画家の作品、また、鉄道ポスターや時刻表、鉄道車両模型などを展示。期間中はさまざまなイベントも催される。

 こうした有名画家の作品と並び、福島さんは絵画作品 「フレートエクスプレス」「川越の動脈」やペーパークラフトの「蒸気機関車C-11」など約20点を出品。「これからも絵やペーパークラフトをたくさん作り、多くの人に見てもらいたい」と意欲的だ。

 会期は10月10日まで。川崎市岡本太郎美術館は川崎市多摩区枡形7-1-5、電話044・900・9898、小田急線向ヶ丘遊園地駅南口徒歩17分、月曜・祝日の翌日休館。入場料は一般1000円、高・大学生・65歳以上800円、中学生以下無料。