初出品で金メダル19個 サイボクハム

メダルやトロフィーを手にするサイボク関係者(左端は笹﨑社長)

 種豚・肉豚の育種、ハム・ソーセージ等の加工品や精肉の販売を手掛ける日高市下大谷沢のサイボクハム(笹﨑静雄社長)が、ドイツ・フランクフルトで開催されたドイツ食肉協会(DFV)主催のハム・ソーセージコンテストで19個の金メダルを受賞した。

 同社は今年で創業70周年を迎えたのを機に同コンテストへ初挑戦。笹﨑社長は「技術を伝承し、情熱を失わずチャレンジしていくことが大切。若手が中心となって新たなコンテストに挑戦した。本物の味を消費者に届けられるよう、今後も品質を追求していきたい」と意欲を見せている。

 ドイツをはじめ世界各国の職人が腕を振るったハム・ソーセージが一堂に会し製品の品質を競うDFVコンテストは、3年に1度開かれる世界最大級の国際食品見本市IFFA(イーファ)の中で開催され、今回は20か国が参加。

 一流マイスター(食品専門技能資格者)が審査員となり、製品の味、香り、食感、見栄え、色などを評価。全ての項目をクリアした製品にのみ金メダルが与えられる。

 同コンテストに初挑戦したサイボクハムは、主力のポークウインナー、スモークハムをはじめ、ユズを使ったものや和風に仕上げたものなどバラエティに富んだハム・ソーセージ35製品を出品し、うち19製品が金メダルに選ばれた。

 また、12個以上の金メダルを受賞した出品者に贈られる「最高栄誉賞」を、ドイツ以外からの出品者では同社のみが受賞した。

 同社は平成9年にオランダの国際食肉プロフェッショナル競技会へ出場して以降、これまでに4つの国際食品コンテストに挑戦。特に平成11年から参加しているDLG(ドイツ農業協会)主催の国際食品品質競技会は世界で最も歴史のある競技会として知られ、同社は初出品以降、18年連続で金メダルを受賞。

 今年2月には22製品が金メダルを受賞し、同競技会での金メダル総数は826個にのぼる。

 今年で創業70周年を迎えた同社は昭和21年に創業し、種豚の育種と養豚牧場を皮切りに、精肉とハム・ソーセージ・加工食品の製造販売、レストラン、温泉施設経営など幅広い事業を展開。

 「緑の牧場から食卓へ」を合言葉に生産・加工・販売のまで一貫体制を整え、全国から多くの利用客が訪れている。

 DFVコンテストに合わせ、ドイツを訪問した経営企画室の笹﨑浩一室長(33)は「70周年を迎えた節目の年に、絶えず新しいことへ挑戦すること、原点にかえり自分たちの商品を見つめ直すことを目的に新たなコンテストにチャレンジした。安定して高品質で美味な製品をお客様にお届けすることが最大の目的。原料となる自社ブランド豚を大切に育てながら、製品作りに真摯に取り組みたい」と話している。