被災地児童の心のケア 熊本派遣を市長に報告

谷ケ﨑市長に現地の様子を報告する小松さん(左)。右は相田校長

 熊本地震被災地の児童たちの心のケアを目的に、日高市立高麗川小学校の養護教諭を務める小松久美さん(43)が5月23日から同31日まで熊本県益城(ましき)町の津森小学校に派遣され、児童のカウンセリングや学習支援などに努めた。

 帰任後には高麗川小の相田香校長とともに日高市役所を訪れ、谷ケ﨑照雄市長、中村一夫教育長に学校や児童の様子を報告した。

 被災地への養護教諭の派遣は熊本県から全国知事会を通じて依頼があり、全国で18人、うち埼玉県からは小松さんを含む4人が選任。小松さんは、家屋倒壊など地震で大きな被害を受けた益城町の津森小に派遣された。

 小松さんによると、津森小は児童数89人で、多くの児童の自宅が全壊・半壊などの被害を受け避難所で生活。また、自宅が無事だった児童の家庭も自宅での生活に不安を抱え車やテントで暮らしている。

 学校施設は体育館の天井崩落、校舎の備品やガラスの破損、敷地内にあった二宮金次郎像が折れて転倒するなどの被害があり、5月9日に授業が再開されたが、体育館は現在も立ち入りが禁じられている。

 地震への恐怖や長引く避難生活への不安。学校再開後、児童たちの表情は徐々に明るくなってきたというが、保護者へのアンケートでは現在も「夜眠れない」「1人でトイレに行けない」などの回答が目立つという。

 小松さんは、学校再開から3週目を迎えた23日から1週間、同小の養護教諭をサポートしながら児童の心のケアに努めた。「児童の心の不安を少しでも解消し、安心感を与えることできるように、小さなことにも耳を傾けて聞くように心掛けた。避難所やテントで暮らす子は虫さされがひどく、薬を塗りながらコミュニケーションを取った」と振り返る。

 市長・教育長への報告では、「被災地の現状を目の当たりにし、果たして自分が役に立てたのか、との思いは強いが、子どもたちにとって学校が心の拠り所という印象を強く受け、学校の大切さを改めて感じた。先生や現地の人々からは“熊本は元気で頑張っていると伝えて欲しい”とのメッセージを頂いた」と語った。

 白羽の矢を立てた中村教育長や相田校長は「小松教諭は常に児童の心身を気遣い、包み込むような笑顔と優しさで児童の信頼を集めている。経験も豊富で今回の派遣には適任だった」と評価。

 市長室で小松さんをねぎらった谷ケ﨑市長は「被災地での経験をぜひ、市内の先生や子どもたちにも伝えて頂きたい。本市は学校施設の耐震は全て終わったが、大震災の事例を聞くと絶対に安心とは言い切れない。常に危機感を持ち、万一に備えたい」と述べた。