構内で迅速な救命処置 飯能駅員の田中伸幸さん

荒幡局長(右)から賞状が贈られた田中さんと笠間管区長

 突然意識を失って倒れ、心肺停止状態となった男性(64)に対し、迅速に救命活動を行い命を救ったとして埼玉西部消防局(荒幡憲作消防局長)は、西武鉄道飯能駅職員の田中伸幸さん(43)に消防協力者表彰を贈った。

 表彰式は埼玉西部消防局飯能日高消防署で行われ、荒幡局長から賞状と記念品が贈呈された。

 先月18日午前4時50分頃、一人で飯能駅構内を巡視していた田中さんは、2階連絡通路の北口エレベーター前で、駅構内に新聞配達に訪れた男性が突然意識を失い倒れる姿を目撃した。

 駆け寄り状況を確認したところ、意識がなく心肺停止状態だったため、すぐに同僚に119番通報を頼み、改札脇にあるAEDを持って男性の元へ戻った。AEDを装着し除細動を1回行い、救急隊が到着するまでの間、心臓マッサージを行った。

 その後、男性は病院搬送途中には会話可能状態まで回復。埼玉西部消防局は田中さんの迅速な行動が男性の命を救ったとして、表彰状の贈呈となった。

 表彰式には飯能駅管区の笠間秀行管区長と共に出席。田中さんは「100メートル先の人が転んで起き上がらない状態だったので駆け寄ると、息をしていなかった。AEDを使うのは緊張したが、体が先に動いていた。これからもお客様のために出来ることを頑張っていきたい」と話した。

 荒川局長は「迅速な対応により一命が取りとめられ、尊い命が救われた。AEDを使ったり、応急処置をするというのはなかなか勇気のいること。駅というところは多くの人が訪れる施設。このようなことがまた発生したら対応してもらえたら」と感謝を述べた。

 同社では利用者の案人安全のため、各駅にAEDを設置しているほか、駅係員が救命講習会を受講するなど、迅速に救命・救急活動が出来るよう努めている。