泥の感触に歓声 一小児童が田植え体験

田植えを行う児童たち

 はんのう市民環境会議が展開している事業「谷津田の里プロジェクト」の一環として、飯能市立第一小学校(伊藤誠校長)の6年生106人が谷津田で田植えを体験した。

 天覧山周辺の谷津田はかつて「飯能の名勝」として素晴らしい景観を生み出すと共に、水田や雑木林が生活の中で活用されることにより、動植物にとっても多彩な生物の生息拠点だった。だが、時代の移り変わりと共に人の手入れがされなくなり、荒れ果ててしまい、ホタルやカエルなどの水生植物も少なくなり、ふるさとの原風景としての昔の面影は薄れてしまった。

 そこで多くの市民や事業者などの協力により、かつての原風景を復活させ、自然体験イベントや学習の場として活用していくという事業が「谷津の里プロジェクト」だ。

 同小の田植え体験は、総合学習の時間に実施され、農作業を通して食育や環境保全に関心を持ってもらおうという狙いがある。児童たちは水田の中に入ると泥の感触に歓声を上げ、足を取られる場面も。

 棚澤周大さんは「田植えは初めて。田んぼの中は歩きにくかったけれど、苗を植えるのが楽しかった」とにっこり。伊藤校長は「学区内に山や川などの自然と、まちがあるという特徴を持っている。それぞれで活躍する人と関わり、ふれあうことで、児童たちは自分のふるさとの良さを見つけていくことが出来る」と話している。