市の花にマンジュシャゲ 日高のイメージ定着

日高市を代表する花として知られる巾着田のマンジュシャゲ

 日高市は、秋の巾着田を彩るマンジュシャゲを市の花に追加指定する方針を示している。マンジュシャゲは同市をイメージする花として多くの観光客の間でも定着していることから、市の花として位置付け、PRに有効に活用するなどとしている。

 現在の市の花は「ハギ」。過去に実施した市民アンケートでは、「ハギからマンジュシャゲに変更しても良い」との回答が最も多かったが、市道に「萩通り」の名称を付けるなど市民のハギに対する愛着もあることから、追加指定という形を取った。市民の日となる10月1日の告示を予定している。

 市の花「ハギ」・木「モクセイ」・鳥「カワセミ」は昭和55年に町制25周年を記念し、市民の投票を踏まえて制定。ハギは当時、市内に多く自生しており、高萩の地名とのゆかりもあり多くの投票があったという。

 その後、萩通りなど道路の愛称にもなり、市役所玄関北側のレリーフにもハギの絵が描かれている。

 しかしその後、平成に入ってから巾着田でマンジュシャゲの群生が見られるようになると市内外から関心を集め、マンジュシャゲを目当てに多くの観光客が訪れるように。現在では500万本の群生が見られ、市の貴重な観光資源となっている。

 「全国的に日高市のイメージとして定着しているマンジュシャゲを市の花にしてはどうか」との話題は市議会一般質問でも取り上げられ、市は平成26年に第5次総合計画後期基本計画の策定に向け市民2000人を対象に実施した「まちづくりのための市民アンケート」の中で、市の花をマンジュシャゲにすることについて質問。

 対象者のうち1129人(56・45%)から寄せられた回答では「ハギからマンジュシャゲへ変更してもよい」が46・1%と最も高く、次いで「ハギとマンジュシャゲの両方があってよい」が22・9%、「ハギのままがよい」が14・8%、「どちらでもよい」が13・6%だった。

 市はこうした意見をもとに検討を進め、従来のハギについても市民の愛着が高いことから、市の花を変更するのではなく、マンジュシャゲを追加指定することとした。

 県内の八潮市(クチナシ・ハナモモ)をはじめ、全国的には複数の花を指定している自治体も多い。また、マンジュシャゲを指定している市には福岡県うきは市、同県宮若市がある。

 市は10月1日の市民の日に合わせて告示し、「巾着田曼珠沙華まつり等のイベントや広報紙、市ホームページなどを通じてPRし、市の花としてより愛着を持ってもらえるように取り組む」としている。