「商工業発展の拠点に」 待望の新会館完成

落成祝賀会では鏡開きが行われた

 日高市商工会(猪俣利雄会長)が南平沢地内に建設を進めていた新商工会館が完成し、26日、通常総代会や落成披露祝賀会が開かれた。

 日高市役所の南側、旧会館跡地に建てられた新たな商工会館は木造平屋建て、延床面積324平方メートル。バリアフリーや災害時の拠点施設としての機能に配慮し、会員の利便性を高めた。

 猪俣会長は「待望の新会館が完成した。じっくりと腰を落ち着けて、皆様の役に立つ商工会を育てて参りたい」と話している。

 新会館には50人規模の大会議室をはじめ、事務所、会議室、応接室、相談室、ロータリークラブ・ライオンズクラブの事務室などが設けられた。耐震性の向上やバリアフリーに配慮し、災害時などに非常用発電を行うことのできる都市ガスを使ったGHP(ガスヒートポンプエアコン)を採用した。

 昭和43年に旧会館が建設されてから48年。約半世紀ぶりの新会館建設に至るまでには、新築移転計画に伴う平成7年の高麗川駅前土地購入、バブル崩壊後の景気低迷に伴う計画断念、多額の借金返済といった苦難があった。

 その後、平成25年に土地売却により借金を完済し、会員や職員の安全確保のため、耐震性に欠けていた旧会館の建て替えを決め、26年6月に旧会館を取り壊し、仮事務所へ移転。2年間の賃貸契約が終了する今年6月までを目途に、新会館の建設を進めてきた。

 26日には完成したばかりの新会館で総代会を開き、その後、レストランサイボクに会場を移し落成披露祝賀会を開催。

 会員をはじめ、谷ケ﨑照雄市長、大澤博行市議会議長、小谷野五雄県議、大塚拓衆議院議員、大久保義海県商工会連合会長など多数の来賓を招き、建築関係者などへの感謝状贈呈や鏡開きを行って建物の完成を祝った。

 祝賀会で猪俣会長は「平成7年に新築移転に向けて用地を購入したが、バブル崩壊とともに2億2000万円の借金が残るという一大危機を迎えた。その後、歴代会長や多くの役職員の努力により、用地を売却し借金を完済、その窮地を脱することができた」と述懐。

 「旧会館は耐震性がなく、震度5で倒壊との診断結果が出ていた。そうした建物の中で会員・職員に多大な迷惑をかけることはできない。人命を第一に考え、商工会自前の土地で建て直すことを決めた」と経緯を語り、新会館について「過分な費用をかけず、木造平屋建てとし、バリアフリーに配慮した。また、災害時のBCP(事業継続計画)に力を入れ、災害時などに非常用発電を行うことのできるGHPを導入し、災害時の拠点となるような施設とした」と説明。

 「待望の新会館を拠点にますます商工会を発展させて参りたい」と抱負を語った。

 谷ケ﨑市長、大澤議長ら来賓からは「木の香りや温もりが感じられる素晴らしい会館。大いに利活用して市内商工業の発展に繋げて頂きたい」などと祝福の言葉が贈られた。

 祝賀会に先立って開かれた総代会では、平成27年度事業報告・同収支決算、28年度事業計画・同収支予算が承認され、高麗郡建郡1300年記念プレミアム付商品券特別会計収支決算報告などが行われた。

 昨年度は、高麗郡建郡1300年プレミアム付商品券の販売、原付バイク用のご当地ナンバープレートの発行、高麗川駅前イルミネーション実施、若手経営塾ネクストの開催などの事業を展開し、15年間連続して会員純増を達成。平成27年度末の会員数は1365会員、組織率78・58%。

 今年度の重点項目として、商業・工業・建設業・サービス業振興対策、65会員以上の新会員の加入促進・組織率79%以上、商工共済の加入促進、自主財源の確保、記帳機械化の拡大、中小企業共済制度への加入促進、事業主・家族・従業員の生活習慣病対策などを挙げている