変わる飯能河原観光 河川占用取得、物販も

年間約9万人が訪れる飯能河原

 飯能市は、入間川に架かる岩根橋付近から下流、割岩橋にかけての飯能河原で、バーベキューや魚釣りなど川遊びがより一層楽しめる取り組みを来年4月からスタートさせる。

 周辺自治会、商工会議所、観光協会、入間漁協、民間企業、県などと河原利用のための「飯能河原利用調整協議会」を7月までに立ち上げ、県の河川敷地占用許可を取得する。

 前段として、川遊びが最盛期を迎える今年7月から10月までの間、河原利用者を対象に飲料水などの販売やアンケート調査といった実証実験を行い、意向を把握する。

 飯能河原は、旧図書館下に広がる面積約3万平方メートルの入間川の河原。天覧山とともに飯能駅から徒歩圏の行楽地として都心からの利用客は多い。

 平成25年7万3000人ほどだった同河原への年間客数は、翌年には9万人を超えるなど、増加傾向にある。

 ただ、乗り付けた車を河原で洗車するなどマナーの悪さが目立ったことから、河原への車両の進入については平成27年から禁止され、現在も規制は継続中だ。

 同市名栗地区の有間ダム下流の入間川河川敷「弁天河原」は、地元住民が「名栗弁天河原河川広場利用調整会議」を立ち上げ、平成25年に河川敷地占用許可を県内で最初に取得した。

 これは民間事業者が河川敷を使い、キャンプ場やバーベキュー場などとして利用できるようにした同23年の国の規制緩和によるもの。

 これにより弁天河原では、河川敷地の利用者(川遊び客)などから駐車料金を徴収。料金を車1台バーベキュー用で1500円、川遊び用で1000円と設定、平成27年度は約3400台が乗り入れ、1万3000人が遊んだ。

 徴収した利用料はバーベキュー場の管理人賃金や光熱費、ごみ処理費になどに充てられている。

 飯能河原利用調整協議会は、メンバーのアイデアを生かすための空間として飯能河原の河川敷を占用し、物販などを行おうとするのが目的。河川占用が許可されると、飯能では弁天河原に次いで2例目となる。

 計画によると、協議会は地元自治会(3丁目、河原町、本郷、大河原)、地元協力会、商工会議所、観光協会、入間漁協、環境・まちづくり関係団体、企業、県・市で構成し、6~7月には発足させる。

 利用者が集中する夏場の7月から10月にかけて、ジュースなどの清涼飲料水を販売したり、どのような品物の販売が好まれるかなども調査する実証実験を行い、河原利用客のニーズを把握する考えだ。

 物販などは広範囲な河原全体での取り組みではなく、部分的にエリアを選定した上で、それぞれの運営者を決める。12月中にはこの施設利用者を決定し、平成29年4月から施設利用者による物販などの事業を開始する。