昭和50年代建設が大半 公共施設等総合管理計画策定

昭和62年建築の日高市役所

 日高市は、公共施設の長寿命化や予防型保全、機能転換や再編、整理・統合を視野に入れた効率的・効果的な管理や施設の最適化を図ることを目的に「日高市公共施設等総合管理計画」をまとめた。

 市が保有する公共建築物62施設は昭和50年代に建設されたものが半数以上を占め、今後、一斉に更新時期を迎え、維持管理費や修繕費、建て替え費用など莫大な支出が見込まれる。

 計画では中長期的な視点に立ち、財源不足に対応しながら適切な施設の維持を図る方針を示した。

 同計画は、行政系、学校教育系、子育て支援、保健・福祉、市民文化系、スポーツ・レクリエーション系、公営住宅、産業系、供給処理などの各施設を「公共建築物」、道路、橋梁、都市公園等、上水道、下水道の各施設を「インフラ施設」に分類。公共施設の現状、人口の見通し・財政状況等を踏まえて総合的・計画的な管理に関する基本的な方針、個別施設計画などについて定めたもの。

 計画期間は平成28年度から57年度までの30年間とし、計画は10年ごと、個別施設計画は5年ごとに見直すとしている。

 このうち、公共建築物は、人口が増加した昭和50年代に建設された建築物が全体の約56%を占める。

 市によると、当面は計画的な維持補修や更新が可能だが、将来的に更新費用が増大することが予測され、平成28~57年度までの30年間の維持管理、修繕、更新の費用は総額約372・8億円が必要と試算、約136・1億円の財源不足が予測されるという。

 計画では、公共建築物の適切な維持管理を行うために、維持補修・更新費用の財源不足の解消を目指し、効率的な維持補修等の実施による削減努力を行うほか、各施設に必要とされる機能面を重視しながら、①適切な維持管理による施設の長寿命化②市民との情報共有③整理・統合(集約化・複合化・多機能化等)④減築⑤売却⑥特定財源の確保⑦民間活力の導入・民間資本の活用⑧適正な受益者負担──の項目に沿って取り組みを進め、施設の最適化を推進する。

 うち「整理・統合」については、「市民ニーズに的確に対応するために、市民の利用実態を踏まえ、管理・運用面も含めて、施設や運営について機能転換や再編に柔軟に取り組む。また、論理的・客観的な視点に基づき、施設や機能の整理・統合を図り、施設利用の最適化を進める。

 建て替え時は原則として複合化を図り、単独での施設を削減し、公共施設としての拠点性を高める。これまでの3地域6地区での公共施設整備の状況を踏まえるとともに、地域の環境整備や公共交通網の拡充も併せて検討を進める」としている。

 また、建築物の管理については、点検・診断、維持管理・修繕・更新、安全確保、耐震化、長寿命化、統合や廃止、総合的・計画的な管理を実施するための体制の構築などの実施方針を定め、建築物を類型に分類し、施設ごとの管理について基本的な方針をまとめた。

 施設類型は、①行政系施設(庁舎、出張所、消防・防災施設など13施設)②学校教育系施設(小中学校など14施設)③子育て支援施設(保育所・学童保育室など12施設)④保険・福祉施設(総合福祉センター・保健相談センター2施設)⑤市民文化系施設(生涯学習センター・公民館など9施設)

 ⑥スポーツ・レクリエーション系施設(ひだかアリーナ・市民プール・北平沢運動場・総合公園4施設)⑦公営住宅(市営住宅1施設)⑧産業計施設(農村研修センター2施設)、⑨供給処理施設(清掃センターなど2施設)⑩その他(武蔵高萩駅自由通路・巾着田など3施設)。

 後日、「施設類型ごとの管理に関する基本的な方針」を数回に分け掲載する。