小中いじめ問題 再調査で件数増

協議会で挨拶する谷ケ﨑市長
協議会で挨拶する谷ケ﨑市長

 青少年問題、いじめ問題への対応に関する情報共有・意見交換を目的とした日高市青少年問題・いじめ問題対策協議会の第2回会議が日高市役所で開かれ、小中学校のいじめに関する報告が行われた。

 市内のいじめの実態としては、平成27年度は昨年12月末までに小学校で12件、中学校で35件のいじめを認知したとの報告があった。また、26年度については、前回(昨年8月)の会議では小学校3件、中学校15件と報告されたが、文科省の指導に基づいて再調査を行った結果、小学校19件、中学校15件と改められた。

 文科省の再調査は、初期段階や短期間で解消したいじめについても認知件数に含めるよう求めたもので、これによって26年度の認知件数は増加。いじめの主な内容については、冷やかしやからかい、悪口や脅し文句、嫌なことを言われる、仲間外れ、集団による無視、遊びのふりをして叩かれる、パソコンや携帯電話での誹謗中傷などがあった。

 発見のきっかけとしては、本人や保護者からの訴えを始め、学校でのアンケート調査、学級担任が気付いた、などが挙げられ、27年度については小学校で12件のうち9件が解消、中学校では35件のうち30件が解消した。

 会議では、いじめへの具体的な対処方法を問う委員からの質問に対し、市教委が「学校ではいじめられた側、いじめた側の児童生徒から良く話を聞き、丁寧な指導を行い、保護者を含めて納得した上で加害側が謝罪した所で解消としている。その後も経過を見守りながら、対応を続けている」と説明。

 委員からは、いじめの解消には学校と保護者が対話を深めることの必要性や「教員が抱え込まないようにする取り組みが必要」などの意見が上がった。

 同協議会は、谷ケ﨑照雄市長が会長を務め、市、市議会、市教委、学校、警察、児童相談所、法務局、民生児童委員、社会福祉協議会、区長会、保護司会、青少年育成団体などの代表者で構成される。

 会長の谷ケ﨑市長は「少年犯罪の総件数は人口の減少とともに減っているが、青少年健全育成条例違反、児童買春、児童ポルノ禁止法違反などのいわゆる福祉犯罪や児童虐待は増加傾向にあると言われている。インターネットやSNSがきっかけだったり、それを利用し犯罪に巻き込まれるケースが増えている。子どもたちを犯罪や事件から守ることは私たち大人の責務。行政や警察はもとより家庭や地域、学校の地道な取り組みが必要と考えている。青少年を地域で育てていくことは私たちのまちの将来にもつながっていくと考える。明日を担う子どもたちが豊かな人間性や思いやり、地域に誇りを持って成長できるようご協力をお願いしたい」と述べた。