初の300億円超えとなった飯能市の平成28年度一般会計当初予算。先の飯能市議会3月定例会では、同議案の可否について滝沢修議員(共産)が反対、野田直人議員(緑の会1)が賛成討論を行った。2議員の討論は次の通り。

 【滝沢修議員(共産)の反対討論】

 飯能市平成28年度の予算案については人口減少に歯止めをかけ、人口の増加につながる施策を推進し、自立した持続的なまちを創造するための予算としている。一般会計では、前年度に比べ20億5000万円、率にして7・2%増の305億5000万円を計上し、10の特別会計と水道事業会計を合わせた総額は、昨年度に比べ23億550万7000円、率にして4・3%増の563億3773万とした。

 住宅リフォーム等補助事業の拡充や農あるくらし飯能住まい制度など飯能市への転入、定住を図る施策の展開も図られている。また、前立腺がんの早期発見に役立つPSA検査を特定検診と同時にできるようになったこと、公立保育所の保育士の休暇が取れるよう夏休みについて臨時職員を配置するなどの改善も行われ、評価するところでもある。

 しかし、以下10点にわたは問題を指摘して反対の討論とする。

 ■軽自動車税の増

 市民生活の問題では、国は堅調な民需に支えられて景気回復が見込まれるとみており、実質国内総生産成長率を1・7%程度と見込んでいる。しかし、3月8日に内閣府が発表した27年10月から12月期の国内総生改定値は年率換算で1・1%減となり、個人消費も0・9%減と落ち込み、暮らしと経済の厳しい現状が改めて示された。

 実質賃金も上がらず、消費税増税による消費の落ち込みは深刻さを増すなど、アベノミクスの破綻が明らかになる中で、国と同様な経済見通しをするには無理があるのではないか。

 まず、指摘しなければならないのは市民生活が厳しい中、法人税減税は継続することである。その影響額は4100万円の減収になるのに国の財政的措置もなく、その穴埋めは外形標準課税の強化で赤字企業にも負担を強いることである。

 2点目は農地の固定資産増税の問題である。国は農地の利用集積を進めることを口実に遊休農地については一定の条件を踏まえて固定資産税を引き上げることにしている。29年1月1日が基準であり、増税額は見込んでいないということだが、適用になると1・8倍にも跳ね上がることになる。

 3点目は、自動車税の増税である。自動車税及び軽自動車税に環境性能割が加算される。軽自動車税の増税は比較的所得の少ない市民の足へ負担増となる。3級品たばこの増税も同様で、ささやかな嗜好品への負担増で認められない。

 4点目は、名栗幼稚園授業料の値上げである。若い世代の所得が目減りしているときに、授業料の最高額は年間5万7600円もの負担増となる。子育て支援に逆行するものである。

 5点目に、都市計画税の問題。都市計画税は目的税である。そのことから市は按分して区画整理事業、街路事業、下水道事業など都市計画事業に充当するとしている。そのうち、下水道事業には25・5%、2億600万円を使うことにしている。最も受益者負担的性格の下水道事業が今後、公営企業会計へ移行しようとしており、一般会計からの繰り入れが問題となる。

 また、厳しい市民生活は相変わらず続いている。市の裁量で税率を決められる都市計画税について、最高税率を続けることも含めて検討されなければならないのに、検討さえされていないことは認められない。

 ■突然の飯能大河原線

 7点目は、阿須山中の土地開発公社用地を2億円で取得することである。取得を開始して5年目になるのに取得後の利用計画が検討すらされていないことは、市民に説明ができないのではないか。10年間で20億円をかけて取得するというのに市民に説明ができないような取得は認めるわけにはいかない。

 8点目は、マイナンバー制度の問題である。税と社会保障の個人情報が一元的に管理し、徴税の強化、給付については抑制を狙うとともに、国民の監視を強める制度にほかならない。また、個人情報については保護するとしているが、情報が漏洩する危険性は払拭できていない。

 そのような中で、個人番号カードの発行の促進を進めること、社会保障や生活保護、保健衛生において制度の導入を進めようとしていることは行うべきではない。

 9点目は、再三指摘している美杉台中学校の建設費償還金約1億6900万円のうち、用地取得費償還金、約1億6000万円の支出は認められるものではない。旧公団開発に莫大な地元自治体の財政負担を伴ってきたことを振り返ると、残りの償還金の負担軽減を求めるべきである。

 最後に、(仮称)飯能大河原線についてである。事業費約30億円、飯能大河原地区への企業誘致道路として総合振興計画にもなく、突然出した計画を進めている。既に用地も確保され、橋脚の建設を進めるところだが、企業誘致も進む中で、現状では入所事業者については飯能大河原線がなくても業務が行われている。大河原永田線で十分ではないか。

 特に飯能大河原線は、市が十分検討した計画ではないため、UR都市機構の負担もなく、市単独で進めている。国の交付金も減額が続く中で従前から進められている区画整理事業などに大きく影響を与えかねない。企業誘致に行き過ぎた期待を持って、市民生活に直結した事業を停滞させるようなことがあってはならない。

 以上を指摘して、反対の討論とする。