宮沢湖に開設が予定されているムーミンテーマパークに関連し、宮沢湖へのアクセスとなる日高市内の道路整備や路線バス、鉄道の充実の方向性について、日高市議会(山田一繁議長)一般質問で齋藤忠芳議員(改革フォーラム)が質した。

 田嶋雅昭都市整備部長、大河原嘉幸企画財政部長、町田忠夫市民生活部長が答弁に立ち、「テーマパークに関する動向を見極める必要はあるが」とした上で、周辺自治体と連携を図りながら、路線の整備の必要性や利便性の向上を関係機関へ働きかけていく必要があると答えた。質問・答弁要旨は次の通り。

 齋藤議員 フィンテック社による宮沢湖周辺に立地予定のムーミンテーマパーク事業に関しては、マスコミ報道により公表されている以外にあまり情報がない。私の平成27年9月一般質問への答弁では「飯能市だけではなく近隣市、県西部地域においても観光や経済の面で大きな影響をもたらすことが期待される。

 現時点では、建設計画が公表されていないことから、具体的な影響や効果を検討できる段階ではないが、今後も情報収集に努めるとともに、開設に向け、飯能市との連携を図っていきたいと考えている」との答弁だった。しかし、現状では行政サイドの連携は全く進んでいないものと考えられる。

 市職員に対して現時点でテーマパーク関連の質問をしても答弁は無理と判断する。谷ケ﨑市長は4月に選挙を控えているので、政治家としてのビジョンはお持ちと思うので、宮沢湖でのテーマパークに関する事項に関して考えを伺いたい。

 ①県道飯能寄居線に関する事項。上鹿山地内の現道拡幅部分から埼玉西部消防局飯能日高消防署の間は1530メートルあるが、現時点では供用開始区間という位置付けとなっており、再整備の考えはないのではないかと思われる。

 しかし、県の計画では幅員15~18メートルで全線計画されているので、拡幅の必要性があれば整備方針を立てるものと考えられる。上鹿山地内の総延長は400メートル強なので早期の要望を考えておいた方が良いと思うが、市長は現道拡幅部分の整備に向けての働きかけはどのように考えているのか。

 ②県道日高狭山線、上鹿山地内のバイパスに関しては、土屋知事の時代に事業が立ち上がったが、上田知事になってからは事業そのものが中断されてしまっている。圏央道の県内全区間が開通した現在、狭山日高インターチェンジを利用する車両数は確実に増加している。

 また、現道の八高線交差部分はカーブし事故も発生しており、非常に危険な道路形状となっている。テーマパークが実現すると、この路線も交通量の増加が見込まれるので、バイパス工事の必要性が増すものと考えられる。バイパス整備の働きかけについてどのように考えているのか。

 ③上鹿山地内より宮沢湖へと接続している農道の整備の必要性が高まっていくと考える。この農道は俗に言う田んぼ道。しかし、宮沢湖へのアクセスというポイントから考えれば、徒歩によるメインのアクセス道路と言うことができる。この農道をテーマパークが完成する頃までに遊歩道的に整備することが最善の手法。どのように考えるか。

 ④イーグルバス路線。高麗川駅から宮沢湖へ直接乗り入れる路線バスは昔はあったが、現在は無くなっている。宮沢湖にテーマパークが完成すれば、当然必要となってくるアクセス路線となる。

 現在の路線を宮沢湖から飯能寄居線バイパスを通行して高麗川駅を経由してから高麗川団地法面へ向かうように働きかけをするのが最良の方法ではないか。どのような考えを持っているのか。

 ⑤JR八高線・川越線の増便。平成27年3月のダイヤ改正により川越線の昼間の便数が大きく減便されたが、テーマパークの立地は増便の大きな可能性のプラス要因と考えられる。そこで、このチャンスを生かしてJR八高線・川越線の利便性の向上も含めた増便に向けての働きかけについてどのように考えているのか。

 ⑥テーマパークへは車での来場のケースが立地上一番多いと想像できる。周辺地域へのプラス要因が大きく働くことが予想できるので、日高市として何らかのバックアップをすることが必要であると考えている。一つの手法として飯能寄居線沿道、日高狭山線沿道等に道の駅を整備することも市活性化のために必要と考えるが、どうか。

 田嶋都市整備部長 昨年、ムーミンテーマパークが宮沢湖に進出することが報じられて以降、現在の所、建設に関する詳細な内容等が公表されていないが、知名度が高く有名なキャラクターであるため、多くの方が足を運ぶことも十分予想される。

 ①飯能寄居線バイパスの整備促進に関しては、沿線自治体で構成している飯能寄居線建設促進期成同盟会を通じ、国、県に対し積極的に要望を行っている。テーマパーク施設建設は、飯能市のみならず、観光、経済などの点から周辺自治体にも関連する事案なので、情報の共有、協調、協力関係を構築しながら取り組んでいくことが肝要。

 テーマパークに関する動向等を見極める必要はあるが、飯能寄居線バイパスの利便性の更なる向上、沿線自治体との連携強化といった観点から、今後の状況に応じて飯能寄居線建設促進期成同盟会を通じて国、県などに働きかけることを検討して参りたい。

 ②県道飯能狭山線バイパスは、飯能寄居線バイパスを起点にJR八高線東側、上鹿山地内までの間、現県道整備部分を含め延長870メートル、幅員15メートルで計画され、平成7年度から用地の取得に着手したが、JR八高線を避けるための設計条件、土地所有者との調整などの理由から、現在バイパス整備は休止状態になっている旨、施工主体である飯能県土整備事務所より伺っている。

 狭山方面へと通じる幹線道路で、圏央道狭山・日高インターチェンジとも近接しているアクセス道路。飯能寄居線バイパスを介して宮沢湖までのアクセスが容易になるなど、多くの方が訪れる際には、利便性の向上が見込まれる日高狭山線バイパスの整備の必要性が高まることが想定される。

 飯能寄居線バイパス、日高狭山線バイパスが連結し広域幹線道路網の充実が図れることは沿線に位置する自治体にとって様々な効果が期待される。

 繰り返しになるが、具体的な建設計画が公表されていないため、今後の動向を注視する必要があるが、飯能寄居線バイパス全線開通、それに伴う整備効果をより一層発揮させるといった視点から、飯能寄居線建設促進期成同盟会を通じて働きかけることを検討して参りたい。

 ③農道整備。議員ご指摘の上鹿山地内、飯能寄居線バイパスから山沿いに入り、宮沢湖へと抜ける道路は、水田や木立が生い茂るなど、宮沢湖およびその周辺の原風景が色濃く残る景観の中を宮沢湖へと抜ける路線。テーマパーク建設により、施設周辺道路の渋滞を緩和し、補完する機能を有するような新たな道路整備の必要性も今後生じる可能性はある。

 また、巾着田との連携も視野に入れ、当市の観光とテーマパークを結ぶ歩行者導線としての整備も想定される。しかし、テーマパークの概要等具体的な建設計画が不透明であることや、周辺の景観、土地利用などを考慮し、新たな道路整備に関しては今後の動向を注視するとともに近隣自治体との情報の共有を図りながら判断して参りたい。

 大河原企画財政部長 ④路線バス。宮沢湖周辺は主にイーグルバスが運行しているが、現在、日高市側からは日高団地または武蔵高萩駅からこま川団地を経由し、県道飯能寄居線に入り宮沢湖、飯能駅へ向かう経路となり、高麗川駅から直接宮沢湖方面へ向かうバスはない。市としても高麗川駅はテーマパークへの日高市側のアクセス拠点として想定できることから、今後、バス事業者に対して働きかけを行って参りたい。

 ⑤八高線、川越線の増便に関しては、沿線市町で組織している「八高線電車化促進期成同盟会」「JR川越線整備促進協議会」が毎年、要望を行っている。JRからの回答は「列車の運転本数は、利用状況を勘案して設定している」とのこと。

 今後、テーマパーク計画の進捗により利用者の大幅な増加が期待できることから、要望活動を通じて増便に向けての働きかけを行う。

 町田市民生活部長 ⑥「道の駅」は国土交通省により登録される休憩施設と地域振興施設が一体となった道路設備で、24時間利用可能な駐車場や水洗トイレの確保、案内サービスとして案内員の配置などが必要。新たな施設整備は実施が困難と思われるが、既存施設のJAいるま野日高中央直売所であれば、道の駅が持つ情報発信や地域振興の機能を持ち合わせている。

 同直売所は県内でも有数の売り上げを誇り、宮沢湖や巾着田からも近い位置にあることから、現時点では新たな施設建設よりも既存施設の機能を最大限に生かすことが有効と考えている。