飯能3月定例会閉会 一般会計など48議案可決

 飯能市議会3月定例会は17日、第5次総合振興計画基本構想、市長・副市長及び教育長の給与等に関する条例の一部改正、職員の給与に関する条例の一部改正、平成28年度一般改正予算など全48議案を可決、閉会した。

 最終日、加藤由貴夫・内田健次正副議長が辞職し、その後、行われた選挙で砂長恒夫氏(68)(4期、緑の会2)が同じく立候補した金子敏江氏(共産)の得票数を上回り、2度目の議長に当選した。得票数は砂長氏14、金子氏4票。副議長には松橋律子氏(64)(5期、公明)以外の立候補がなく、同氏の無投票当選となった。

 成立した28年度一般会計予算は、前年同期と比べ20億5000万円、率にして7・2%上回る305億5000万円で、飯能市政初の300億の大台。伸び率が7%に達したのは平成22年度以来。

 主な新規事業として、(仮称)飯能大河原線橋りょう整備に2億9680万円、飯能の地域資源を活用し、移住定住などの促進を図る「飯能住まい」制度の宣伝に490万7000円、公共施設へのWi-Fi設置に798万2000円、現年度課税分の未納者への納付を電話で呼び掛ける納付案内センター設置に302万4000円、山間地域に本社や本社機能の一部を持った事業所を設置しようとする事業者に補助金交付するサテライトオフィス促進事業に300万円を盛り込んだ。

 継続事業としては、子どもインフルエンザ予防接種無償化に4333万9000円、定住人口増加対策としての住宅リフォーム補助に2211万5000円、市外からの交流人口の拡大や定住を促すための空き家対策に414万8000円をそれぞれ計上した。

 第5次総合振興計画基本構想は、平成28年度から同37年度までの市のまちづくりガイドライン。市の長期的なまちづくりの方針、その実現の手段などを体系的に示した最上位計画でもあることから、議会内に特別委員会(野田直人委員長)が設置、内容について審議が続けられてきた。同計画も可決されたが、採決前の討論では金子議員が反対、平沼弘議員(緑の会3)が賛成討論を行った。

 最終日、市長提出された人事案件1件、議員提出のの「児童虐待防止対策の抜本強化を求める意見書」の2案件が追加され、議案は全48件となった。

 砂長氏は、議長就任挨拶で「九つ転び十起き、これはNHKの朝の番組の主人公が言った言葉。どんな困難があっても、何度も這い上がる、そういった精神力の持ち主である。転ばないことがもちろん良い事だが、私もこの精神力を見習ってこの1年間、乗り切る覚悟」と抱負を述べた。