金融機関は最後の砦 振り込め詐欺を水際防止

福島署長から感謝状を受け取る金融機関職員
福島署長から感謝状を受け取る金融機関職員

 昨年12月から今年3月にかけて、振り込め詐欺被害を未然に防いだとして、飯能署(福島謙治署長)は管内の金融機関職員8人に感謝状を贈った。

 いずれも高齢者が窓口へ高額な現金の払い出しに訪れた際、異変に気付いて事情を聴き、振り込め詐欺を看破。ホットラインで飯能署へ通報し被害を水際で食い止めた。被害防止額は推計で1140万円という。

 感謝状を受け取ったのは埼玉りそな銀行飯能支店の横山明美さん、飯能双柳郵便局の西澤俊彦さん(局長)、古本佳代子さん、原島純一さん、飯能信用金庫飯能中央支店の長峯美紅さん、吉村和弘さん、高麗郵便局の小林昌則さんの8人。

 警察官を名乗る男から「通帳が盗難に遭った。早く全額を下ろさないと盗られてしまう」と言われ口座の全額590万円を下ろそうとした80代男性や、息子を名乗る男から「株で損をした。500万円を用意しないとサラ金で借金を抱えるようだ」として定期を解約しようとした70代女性などケースはさまざまだが、いずれも窓口に訪れた利用者の異変に職員が気付き、話を聞いて振り込め詐欺を疑い飯能署へ通報。身内と確認を取るなどして詐欺だと判明した。

 贈呈式で福島署長は「金融機関は最後の砦。水際で食い止めて頂き、大変ありがたい」と感謝を述べ、職員は「高額な現金の引き落としには必ず声をかけるなど、マニュアルの徹底に心掛けている」「お客様も“まさか自分が詐欺に遭うなんて”との思いがある。なかなか事情を言いたがらない場合が多いが、詳しく話をして頂くことが被害防止につながる」と話している。