巾着田管理事務所が法人化 駐車場利用料徴収委託など

0219巾着田

[マンジュシャゲシーズンを中心に全国から多数の観光客が訪れる巾着田]

 日高市は都市公園条例の改正を行い、今年4月から巾着田曼珠沙華公園のエリアを拡大し、現在、巾着田管理協議会が自然環境保全協力金として徴収している有料駐車場利用料を市が徴収する。

 条例改正に伴い、巾着田管理協議会の構成員となっている巾着田管理事務所が一般社団法人化し、市から業務委託を受けて駐車場の管理運営を行うこととなり、18日には法人設立総会が行われた。

 巾着田管理協議会は市や近隣区長、観光協会、漁協など関係団体の代表者で構成される任意団体。平成7年に設立以降、巾着田のあり方を協議するとともに、市からの公園管理委託金や自然環境保全協力金をもとに、年間を通じて管理業務と環境保全を行い、管理事務所、マンジュシャゲ群生地、あいあい橋やトイレ等の運営や維持管理、散策路、案内看板、トイレの修繕などの施設整備を行っている。

 年間を通じて巾着田を訪れる行楽客の増加に伴い、駐車場利用料は年間約3000万円と任意団体が取り扱う金額としては多額になっていることから、市は都市公園条例の改正を行って駐車場を有料公園施設として位置付け、利用料を市が徴収する方針を示し、昨年12月の市議会定例会に条例案を提出し可決を受け、今年4月に施行する。

 曼珠沙華公園の面積は、マンジュシャゲ群生地を中心とする現在の5・5ヘクタールから、駐車場スペースと民有地を含む12・4ヘクタールへと拡大。

 また、グラウンドについても多目的広場として新たに条例を制定し、臨時駐車場として活用する際に利用料を市が徴収できるようにする。

 条例改正に伴い、管理協議会の構成員として巾着田の維持管理を担っていた管理事務所を一般社団法人化して利用料の徴収を委託することになり、同事務所は10日に法人登記を行い、理事長に巾着田管理協議会会長の砂川一芳氏、理事に関口均氏、監事に和田芳子氏が就任。設立総会は高麗公民館で開かれ、市や巾着田管理協議会などの関係者が出席した。

 砂川理事長は「巾着田には年間を通じ数十万人の来場者がある。春には菜の花やサクラ、ゴールデンウィーク、夏休み期間中にはキャンプやバーベキューで賑わい、秋には全国的にも有名なマンジュシャゲ、コスモスなど見事な景観を見せている。最近では海外からの観光客も多く見受けられるようになった。市の第5次総合計画の中で、カワセミの里プロジェクトとして市の鳥カワセミがいつまでも飛び交う事の出来る環境作りを目指し、豊かな自然と景観を後世に引き継ぐ事を目標としている。高麗川や日和田山、巾着田が中心的なエリアとなり、日高に誇れる高麗川の歴史、自然を大切に大きく飛躍していくことが私たちに託された仕事であると重責を感じている」。

 さらに「巾着田管理協議会で決定された事業について管理事務所として遂行してきたが、今後は法人として運営方針をしっかり定め、市、管理協議会との連携を図り、環境整備を重点に置き新たな事業展開を模索しながら、巾着田という空間をより魅力的な場所にして参りたい」と決意を述べた。

 来賓として谷ケ﨑照雄市長、山田一繁市議会議長が挨拶に立ち、谷ケ﨑市長は「最初の管理事務所設立の時に市の担当をしていたのが私だった。巾着田には特に思い入れが深い。国のふるさと創生事業を受け、平成4年頃から巾着田の整備を進め、平成7年に管理協議会と事務所ができ、地元の皆さんに管理を担って頂いた。法人格を持って一人歩きした方が良いとの思いから法人化に向けて準備を進め、今回、新たな一歩を踏み出すことになった。皆さんと力を合わせ、より一層親しまれる巾着田を目指したい」と語った。