飯能市は、第3次「山間地域振興計画」(平成28~32年度までの5年間)の対象地域である南高麗、吾野地区など山間5地区に市外に本社がある事業所を誘致する「サテライトオフィス促進事業」に新年度、乗り出す。

 事業所設置や改修費用、建物の賃貸料、市民の新規雇用費などに3年間で最大350万円を市が助成する制度で、空き家対策の側面も持つ。サテライトオフィスの促進で補助金交付するのは、県内で飯能が初めてという。

 飯能市は平成22年から翌年3月までの間、国の交付金で1秒間に最大1ギガバイトのデータを送受信可能なインターネット高速回線、光ファイバーを吾野・東吾野・名栗に整備している。

 この情報通信基盤に着目し、山間部の自然、低い震災リスクなどといった市の特性を〝売り〟に、新たな企業誘致策として、山間部へオフィス誘致しようとするもの。

 計画によると、同制度の事業所誘致対象地区は南高麗、吾野、東吾野、原市場、名栗地区。飯能市外に本社を置き、本社そのものか、一部機能を5地区のいずれかに移転した場合の支援策として、4つの助成メニューを用意した。

 オフィスを設置し、改修費用として50万円(設置初年度)、土地と建物の賃貸料として年36万円(設置から3年間)、通信回線・機器使用料として年24万円(同)、人件費として市内在住者を新規雇用した場合、年40万円(同)をそれぞれ上限に交付する(人件費除いて補助対象経費の2分の1)。

 対象業種として、市は▽ICT(コンピューターやインターネット関連)産業▽デジタルコンテンツ制作▽音楽・アート▽その他市長が認めるもの─などを挙げている。

 空き家、店舗、事業所跡などが移転先としてあるが、山間部では児童・生徒数の減少により、将来的に学校の統廃合も視野に。そうした場合の空き校舎もオフィス誘致先の一つになりそうだ。

 事業を推進する市産業振興課は「飯能ならではの山間地域における新しい働き方を支援し、定住人口増加や山間地域振興に向け、積極的に取り組んでいく」としている。